◆ ファンが選ぶ“ベストプレー”、年間大賞を受賞
パ・リーグ連覇を達成した西武の辻発彦監督と中村剛也選手、平井克典投手の3名は25日、都内でメットライフ生命が主催する『V2報告会・トークショーイベント』に出席。トークセッションの前には、ファンの投票で決する『メットライフ生命presents ライオンズベストプレー賞』年間ベストプレーの表彰式も行われた。
“ベストプレー賞”に選出されたのは、7月19日(金)にメットライフドームで行われた対オリックス(11回戦)で中村が放った一発。延長11回、一死走者なしから高めに浮いた変化球をとらえた振り抜くと、打球はあっという間に西武ファンの待つレフトスタンドへ。延長戦に決着をつけた一発は、中村にとっても通算400号となるメモリアルな一発となった。
強烈なインパクトを残した一撃にも、本人はふだん通りのテンション。感想は「メットライフドームで400号が打てたのは良かった」と語るに留まり、副賞の賞金100万円を受け取ると、「選んでいただき、本当に嬉しいです。100万円、ありがとうございます」と喜んだ。
◆ 中村本人の“ベスト”はその前の…?
その後のトークセッションでは、出席した3名が選ぶ今年のベストプレー、印象に残ったシーンが話題に。
年間大賞を受賞した中村は、7月19日の試合を振り返りつつ、「あの試合はいろいろなことがあって、9回裏に金子(侑司)が同点3ラン打って追いついたり」と、自身のサヨナラ弾までを回想。その中で、劇的一打の直前にあった「11回表のプレー」を挙げた、
4-4で迎えた延長11回の表。7番手として登場した平井は二死をかんたんに取るも、そこから四球で走者を出してしまい、続く中川圭太にあわや本塁打というレフトフェンス直撃の一打を打たれてしまう。
一塁走者は俊足の福田周平。二死ということもあって、勢いのまま三塁を蹴って本塁に向かったところ、西武は左翼手の金子からボールを受取った遊撃手の源田壮亮が捕手の森友哉へワンバウンドのストライク送球。走者が滑り込んでくるところにピタリと投げ込み、この絶体絶命の状況をしのいだ。
このシーンを最も印象に残ったプレーに挙げた中村。「僕はサード守っていたので、ちょうどよく見えるんですよ。全員の動きが。ランナーも来てて、良いタイミングやなと。どうなるどうなる…と思って。あの時はお客さんでした。めっちゃ楽しかったです」と衝撃の告白。
「あれがなかったら僕の本塁打はなかったかもしれない。そういう意味でも一番ですね」と振り返った。
ちなみに、その11回表に投げていた平井は、ベンチに戻った後のことを「だいぶ気まずかったです」と振り返る。それでも、裏には中村の一振りで勝ち投手となり、「本当にありがとうございます。中継プレーもですが、すべての方にありがとうございます、です」と感謝しきりだった。
文=尾崎直也