ロッテの河合克美オーナー代行兼社長が26日、年間総括を行った。
河合オーナー代行兼社長は「前年は8月以降、かなり体力的にも下がってしまい、怪我人も増えてしまって、5位といっても6位と1ゲーム差で、前年(17年)と変わらなかった。今季、年間通してどういうパフォーマンスをするかを、キャンプからそのことを監督、コーチ、選手みんなそれぞれ意識していた。今年は残念ながら4位ですけど、最終戦までクライマックスシリーズを争うところまでこれた」と振り返った。
ロッテの今季を振り返ると、69勝70敗4分、3位・楽天に2ゲーム差の4位でシーズンを終えた。前半戦は二木康太、種市篤暉、岩下大輝の若手先発陣が救世主となり、野手陣も開幕戦スタメンを外れた荻野貴司、鈴木大地(現楽天)の“1、2番コンビ”、新加入のレアードが打線を引っ張った。
後半に入り、レアードがやや調子を落としたところに、打線を盛り上げたのがマーティン。来日2試合目の出場となった7月27日の楽天戦で来日初本塁打を含むマルチ安打をマークすると、その後は2番や3番を打ち、外野の守備でも強肩を武器に5個の補殺を記録した。
投手陣も前半戦苦しんだ石川歩がリリーフでの再調整を経て、6月9日の巨人戦以来となる先発となった8月13日の日本ハム戦で6回1/3を投げて1失点に抑えると、続く8月20日の楽天戦から自身5連勝でシーズンを終えた。3年目の種市もオールスター明けは10試合に登板して7試合でクオリティ・スタート(6回3自責点以内)をクリアし、4勝1敗、防御率2.66とエース級の働きを見せた。
チームも夏場に7月30日のオリックス戦から8月8日のソフトバンク戦にかけて10連戦、8月10日の西武戦から8月18日のオリックス戦にかけて9連戦、8月27日の楽天戦から9月4日の日本ハム戦にかけて9連戦と、大型連戦が続いたが、8月は14勝13敗1分と勝ち越し。
8月22日には首位と10ゲーム差の5位だったが、9月4日には首位と6.5ゲーム差の3位に浮上。3年ぶりのAクラスに向けて楽天とCS争いを繰り広げたが、9月19日に楽天との直接対決に0-2で敗れ4位に転落すると、絶対に負けが許されないシーズン最終戦となった9月24日の西武戦に4-12で敗戦。CS進出を逃すと同時に、本拠地最終戦で西武の胴上げを目の前で見ることになってしまった。
来季に向けて、楽天から美馬学、ソフトバンクから福田秀平をFAで獲得し、課題だったリリーフ陣も楽天で3年連続で40試合以上に登板したハーマン、広島時代に3年連続リーグ制覇に貢献したジャクソンを獲得。さらにドラフト会議では4球団競合の末、最速163キロ右腕の佐々木朗希の指名に成功した。
河合オーナー代行兼社長は「来季だけを目標にしていることではなく、チームとしては絶えず優勝争いに絡んでくるチーム。当然、若手の育成を継続してやらなければいけない」と話す。来季、2005年以来のリーグ優勝、2010年の日本一を目指し、その先の黄金時代を見据えていく。
文=岩下雄太