助っ人も育てるチーム
昨オフは近年稀に見る積極補強を見せ、2019年にかける本気度を見せていた日本ハムだったが、今季は浮き沈みの激しい一年に。前半戦では首位争いも演じたものの、夏場の不調が響いて最終的には5位という順位に終わった。
トレードで秋吉亮、自由契約から金子弌大、さらには“台湾の至宝”こと王柏融を獲得するなど、話題を振りまいた昨年と比べると、やや控えめに映る今オフの日本ハム。その中で注目を集めたトピックといえば、巨人を自由契約になったクリスチャン・ビヤヌエバを獲得したことだろう。
前年にメジャーでシーズン20発をマークした大物助っ人として鳴り物入りで来日した右の大砲も、巨人ではレギュラー定着とはいかず、今季は73試合の出場で打率.223、8本塁打と期待に応えることができなかった。
しかし、自由契約となると、日本ハムがいち早く手を挙げる。今季は退団したブランドン・レアードの穴を埋めるのに苦しんだだけに、ビヤヌエバが本領を発揮することができれば、その課題を解決する救世主となる可能性は大いにある。
日本ハムと言えば、前述のレアードも来日当初はなかなか日本の野球に馴染めなかったものの、我慢して使い続けることでリーグを代表する大砲へと“成長”させた過去がある。ビヤヌエバに対しても、「モノにする」という自信があるからこその獲得だということだろう。
また、今のチームでも大田泰示や公文克彦といった“元巨人”戦士が主力として活躍しているように、伝統的に巨人から獲得した選手をうまく起用して戦力にしてきた歴史もある。このことも「日本ハム・ビヤヌエバ」に対する期待を膨らませている。
その他では、ドラフト会議で即戦力投手を中心に指名。今季は先発の柱のひとりである上沢直之が故障で離脱してしまった不運もあり、リリーフ投手を先発で起用する「ショートスターター」戦術を採用するなど、最後まで投手陣のやり繰りに苦心した。上位で指名した社会人出身者はもちろん、“実戦向き”と期待される望月大希も含め、1年目からの活躍が期待される。
2019年内のIN/OUTまとめ
【IN】
▼ 補強
<投手>
ドリュー・バーヘイゲン
<内野手>
クリスチャン・ビヤヌエバ
▼ ドラフト指名
<投手>
河野竜生(1位/JFE西日本)
立野和明(2位/東海理化)
鈴木健矢(4位/JX-ENEOS)
望月大希(5位/創価大)
長谷川凌汰(育3位/新潟アルビレックスBC)
<捕手>
梅林優貴(6位/広島文化学園大)
<内野手>
上野響平(3位/京都国際高)
樋口龍之介(育2位/新潟アルビレックスBC)
<外野手>
片岡奨人(7位/東日本国際大)
宮田輝星(育1位/福岡大)
【OUT】
▼ 現役引退
<捕手>
實松一成
<内野手>
田中賢介
▼ 自由契約
<投手>
中村 勝
田中豊樹
立田将太
<外野手>
森山恵佑
岸里亮佑
※その後、現役引退となった選手も含む