ニュース 2020.01.16. 13:30

「通算2000本」でも名球界の入会資格はなし…ジョーンズが迫る“米日通算”の大台

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日本で通算2000安打を達成したアンドリュー・ジョーンズ

あと「61本」で2000の大台へ…


 1月もあっという間に折り返し地点を過ぎ、長かった野球界のオフもいよいよゴールが近づいて来ている。

 このオフも様々な“サプライズ”、大きなニュースがいくつかあったが、なかでも衝撃を与えたものといえば、オリックスのアダム・ジョーンズの獲得だろう。

 メジャーでオールスターに選出されること5回。通算282発・1939安打という実績を誇る現役バリバリのスーパースターが日本にやってくる。オリックスファンはもちろんのこと、他球団のファンでも彼のプレーが見られることを心待ちにしているという方は多いのではないか。


 そんな彼の実績を改めて振り返っていると、ひとつの金字塔が迫っていることに気が付く。注目すべきは、先に取り上げた通算安打数。あと61本で『通算2000本安打』という大台に手が届くのだ。

 『2000本安打』といえば、日本では名球界入りの条件として有名な打者の目標のひとつ。NPB単独では52名が達成している大記録であるが、近年はメジャーに挑戦する野手も少なくないことから、現在では“日米通算”での達成でも入会資格が与えられる。そのため、NPB単独では2000安打に届いていないイチローや松井秀喜、井口資仁、福留孝介、青木宣親といったところもプラスで入ってくる。

 ちなみに、資格を持っていても入会するかどうかは本人の意思次第。また、これは日本人選手に限ったことではなく、資格を満たしていれば、国籍は問わず外国人選手でも名球界に入ることが可能だ。

 となれば、ジョーンズも日本で61本の安打を放つことができれば、殊勲の証である「名球界ブレザー」に袖を通すことができるのか。セレモニーのシーンを思い浮かべながら、今季の注目ポイントのひとつになるぞ…と思っていたら、実はそうではないらしい。


“通算”のスタートは「NPB」でなければならない


 佐々木主浩やイチロー、新庄剛志といったところの活躍を皮切りに、日本人選手のメジャー挑戦熱が高まっていた2003年。今後もこの波は続いていくであろうことを踏まえ、名球会は入会資格に関して「日米通算の記録でも認める」ことを決定した。

 ところが、名球会といえば、国籍は問わずに外国人選手でも入会が可能。そこで浮上してきた問題が、来日前にメジャーで実績を残した選手が、NPBで通算2000安打に到達するというケース。例えばマティ・アルーやロイ・ホワイト、ウォーレン・クロマティ、ラリー・パリッシュといったところにも、後付けで入会資格が与えられるのでは…?ということに気が付いたのだ。

 ほかにも、すでにメジャーで名球会入りの資格を満たしてから来日した選手についても同様。彼らのなかで名球界入りの意思を示し、入会をした選手はいなかったものの、これではまずいということから、2012年に“日米通算”と“米日通算”の記録には明確に線を引くことを決定。「NPBでの記録をスタート地点とする」ことを新たにルール化している。


 実際、2012年にアレックス・ラミレス(当時DeNA)が“米日通算”での2000安打を達成。しかし、ここでは入会の資格は与えられず。翌2013年、NPB単独での2000安打を成し遂げた際に、晴れて入会が認められた。

 ちなみに、今回のジョーンズと酷似しているサンプルもある。2013年に楽天に入団したアンドリュー・ジョーンズだ。

 こちらもメジャーのスーパースターとして知られた選手で、来日時点でMLB通算1933安打をマーク。楽天での1年目・2013年の7月に“米日通算”での2000本安打を達成したが、名球界入りの資格は授与されなかった。


入会資格を持つ外国人選手は…?


 このように、現時点で名球会入りを果たした外国人選手というとラミレスが唯一の例となっているが、実は入会資格を持っている選手が1人いる。2014年にメジャーで現役を引退した、アルフォンソ・ソリアーノだ。

 ソリアーノはカープアカデミーの出身で、1997年に広島で初めての一軍出場。9試合のみという出場だったが、安打を2本放っている。

 その後、契約の問題などもあって広島を退団すると、1999年にヤンキースでメジャーデビュー。アメリカでその才能を開花させ、2002年にはシーズン200安打を達成して盗塁王にも輝くなど、一気にスターダムを駆け上がっていった。

 迎えた2013年、8月にメジャー通算1998本目の安打を放ち、これで日米通算2000安打を達成。これはNPBでの記録をスタート地点として計算しているもので、ラミレスに続く史上2人目の外国人選手による名球会の入会資格保持者となった。 

 このことについて、当時は大きな話題となったものの、その後の続報はなし。名球会の名簿を確認するとソリアーノの名前はなく、本人から入会の申し出がないためそのまま、となっているようだ。


文=尾崎直也


“米→日通算”の2000安打達成者

※MLBで2000安打を達成してから来日した選手は除く


▼ マティ・アルー
☆日米通算2035安打
[MLB通算] 1777安打(1960~1974)
[NPB通算] 258安打(1974~1976)


▼ ロイ・ホワイト
☆米日通算2151安打
[MLB通算] 1803安打(1965~1979)
[NPB通算] 348安打(1980~1982)


▼ ウォーレン・クロマティ
☆米日通算2055安打
[MLB通算] 1104安打(1974・1976~1983・1991)
[NPB通算] 951安打(1984~1990)


▼ ラリー・パリッシュ
☆米日通算2016安打
[MLB通算] 1789安打(1974~1988)
[NPB通算] 227安打(1989~1990)


▼ フリオ・フランコ
☆米日通算2872安打
[MLB通算] 2586安打(1982~1994・1996~1997・1999・2001~2007)
[NPB通算] 286安打(1995・1998)
※94年までにMLBで1784安打・95年にNPBで145安打の後、96年にMLBで通算2000安打を達成。
=厳密に言うと、米→日→米通算で2000安打を達成!


▼ アレックス・ラミレス
☆米日通算2103安打
[MLB通算] 86安打(1998~2000)
[NPB通算] 2017安打(2001~2013)


▼ アンドリュー・ジョーンズ
☆米日通算2148安打
[MLB通算] 1933安打(1996~2012)
[NPB通算] 215安打(2013~2014)


“日→米通算”で2000本安打を達成した外国人選手


▼ アルフォンソ・ソリアーノ
☆日米通算2392安打
[NPB通算] 2安打(1997)
[MLB通算] 2095安打(1999~2014)

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