五輪金メダリストからエール「活躍してくれる」
オリックスの吉田正尚選手が24日、都内の東京医科歯科大学で自主トレを公開。アテネ五輪ハンマー投げの金メダリストでもある室伏広治・同大教授の下で汗を流した。
室伏氏は紙風船を使った独特なメニューから、10キロのハンマーを使った高負荷なメニューまで、ユニークなトレーニングを用意して吉田を迎えた。
吉田から「瞬発力向上」の要望もあり、今年はじめて取り入れたメニューもあったが、「根底にあるのは彼自身の腰の怪我があるので、それのチェック。再発しないように体幹を鍛えるようなトレーニング」と、あくまで手術歴のある腰回りの体幹強化がメインとのこと。
トレーニング後のメディア対応時には、トレーニングの効果と筋肉の動きについて記者の身体を指差しながら熱弁。「ただ筋肉をつけるだけでは遠くに飛ばせない。体幹の筋肉が働いた状態で動けば、よりパフォーマンスアップに繋がる」と、吉田が臨んだトレーニングは野球に限らずあらゆるスポーツで必要な要素であることを説いた。
吉田とは、同選手のルーキーイヤーにあたる2016年オフに初めてタッグを組んで、今年で4年目に突入。1、2年目は故障に悩まされていたが、室伏氏からのコンディショニング面でのアドバイスもあり、ここ2シーズンは全143試合に出場。昨季は打率.322、29本塁打、85打点と好成績をマークし、プレミア12では侍ジャパンの一員として日本代表の初優勝に貢献した。
室伏氏は、この奮闘ぶりに「なによりも怪我をしないでフルシーズン戦えるだけで僕は嬉しい」と笑顔。報道陣から吉田の身体の変化について問われ、ここでも熱弁を振るうかと思いきや、「それよりも本人の性格が素晴らしい。まだまだ向上したいという気持ちを持ち続けているので、まだ伸びる可能性がある。素晴らしい性格」と、プロアスリートとしての姿勢をベタ褒め。吉田の飽くなき向上心に舌を巻いた。
今年はいよいよオリンピックイヤー。野球界にとって特別な一年になるとの思いは室伏氏も同じだ。「今回はオリンピック競技に久々の復活。野球は日本ですごく人気がある。日本代表選手の活躍が野球界に大きな影響を与えると思う」とその意義を語り、「きっと吉田くんは、そのなかで活躍してくれるんじゃないかな」と、貪欲な愛弟子に期待を寄せた。