◆ 1500人のファンから大歓声
西武は28日、春季キャンプを前に恒例となっている決起集会『2020埼玉西武ライオンズ出陣式』を埼玉県所沢市のくすのきホールで開催。約1500人のファンの前で、辻発彦監督や選手たちが今シーズンに向けた決意表明などを行った。
出陣式には、14年ぶりの古巣復帰となる松坂大輔投手も参加。移籍後初となるお披露目の場ということもあり、松坂が登場すると会場からは「おかえりー!」「だいすけ~!」など、割れんばかりの大歓声に包まれる。
「本当に嬉しいです」と感慨深げに語った平成の怪物は、この日発表された「ライオンズ70周年シリーズ」限定の懐かしい筆記体ロゴのユニフォームを身にまとい、「着替えて鏡に映っている姿を見たら若返った気分。入団したころを思い出しましたね」と笑顔。「イベントなので試合数は多くないんですが、このユニフォームを着用する時に是非投げたいと思います」と意気込みを語った。
◆ 「今年の方が良い状態」
“古巣復帰”と言っても、「以前一緒にやっていたというと、栗山(巧)選手と中村(剛也)選手くらい」と、在籍時に共に戦っていた選手は14年の間に激減。「今の段階では首脳陣や監督の方が知っている人が多いので、これから名前と顔を覚えていきたいと思います」と、まずは溶け込むことを第一に挙げる。
入ってきて“チーム最年長”という立場になることについても、「実感は全然ないですけど、こういう形で若い子たちを目にするというのは想像していなかったですね。しっかりコミュニケーションを取っていきたいと思います」と前向き。バッテリーを組むことも予想される新選手会長の森友哉については、「会話とかはまだないですけど、“いかついな”という感じです」と吐露して報道陣を笑わせた。
自身の状態に関しては、「去年と比べても今年の方が良い状態」と力強く言い切る。具体的な目標、数字などは語らなかったが、「どういう形になるかは分からないですけど、少しでもチームの力になれるように頑張って行きたい」と闘志を燃やしている。
◆ 注目を集める高卒ルーキーにエールも
また、春のキャンプといえば、やはりプロの世界に殴り込みをかけるゴールデンルーキーに注目が集まりがち。かつての自身がそうだったように、今年はロッテに加入した“令和の怪物”こと佐々木朗希や、ヤクルトのドラフト1位・奥川恭伸といったところがキャンプ前から大きな期待を寄せられている。
はじめてのキャンプで“フィーバー”を巻き起こした男は、自身の1年目を振り返りながら、「自分では大丈夫だと思っていたんですけど、胃腸炎になったりもするのでね……」と苦い経験も思い出しつつ、「診断を受けて、『食べるものに気を付けてください』って言われて、帰ってから宿舎の喫茶店でピラフを食べたのが皆さん(記者)のおかげでバレて怒られたというのを覚えているので」と笑いながら、注目されることの“怖さ”を身をもって体験したという知られざるエピソードも。
つづけて、「自分で考えながらやっているつもりですけど、気づかないところもあるとは思うので、そこは周りの人がしっかりサポートしてあげてほしいなと思いますね」と語り、注目のルーキーとその周囲の人々へアドバイスを送った。