ロッテ・ジャクソン[撮影日=2020年2月7日]

◆ 広島のリーグ3連覇の立役者

 昨季リリーフ陣を課題にしていたロッテに、セットアッパーとして広島のリーグ3連覇に大きく貢献したジャクソンが加わった。

 広島でプレーした3年間(2016~18年)はリリーフとして、通算175試合に登板し、10勝8敗、92ホールド、2セーブ、防御率2.10と抜群の安定感を誇った右腕だ。特に16年は67試合に登板して、5勝4敗、37ホールド、防御率1.71という圧巻の成績を残した。

 マリーンズのリリーフ陣は昨季、開幕直後は唐川侑己が勝ち試合の8回を任されたが、その後も色々な投手が起用されるなど、シーズン通して守護神・益田直也に繋ぐ、セットアッパーを固定することができずに苦しんだ。

 イニング別の失点を見ても、8回にチームワーストの87失点を喫している。そういった意味でもジャクソンには、楽天から加入したハーマンとともに、日本で実績のあるリリーバーとして大きな期待が寄せられている。

 自身の役割についてジャクソンは「井口監督が『ジャクソンはここだ!』というところで仕事をするだけ」とコメント。任されたポジションで自身の役割を全うする覚悟を示し、「これまでは後ろの方で投げていた。毎試合しっかりとしたパフォーマンスを披露し、勝利に貢献できたら」と意気込みを口にした。

◆ ジャクソン・スマイルの原点

 プレー中はもちろん真剣な表情を見せるが、きっちりと自分の仕事を終えたあとは、“ジャクソン・スマイル”と呼ばれる笑顔を見せながらベンチに戻る姿も魅力のひとつ。

 “ジャクソンスマイル”をはじめたキッカケについて尋ねると、「いつスマイルをスタートさせたかというのは、なかなか覚えていないけど、気持ちがシュンとしたときかな」と語り、次のように続けた。

「そういうときに、野球をやっていて『これじゃいけないんだ!』という気持ちになり、前向きに考えようと思ったんだ。日々、野球をやれることに感謝し、そういう気持ちを持とうと思った。その表れでもあるんだ。1日1日を楽しむという気持ちだね」。

 だからこそ、「自分は前向きだというのを見てもらいたくて、スマイルをはじめたんだ」と、屈託のない笑顔を見せるスマリー・ジェイ。今季のZOZOマリンでも、広島時代のようにフル回転し、満面の笑みでベンチに引き上げる姿を、1試合でも多く見せてもらいたい。

取材・文=岩下雄太

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