ニュース 2020.03.30. 17:59

龍谷大平安を初優勝に導いた2年生エース 今こそ振り返りたい“センバツ優勝投手”

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ヤクルト・高橋奎二

2014年・高橋奎二(龍谷大平安)


 世界中で猛威を振るう「新型コロナウイルス」の問題によって、大会の中止が決定した今年の“春のセンバツ”。本来の予定で順調に日程を消化していれば、きょう30日は準決勝と決勝の間に設けられた休養日。あす、いよいよ王者が決まるというところだった。


 残念ながら球児たちによる激闘を見ることはできなくなったものの、毎日新聞と毎日放送(MBS)がSports naviにて展開している「センバツLIVE!」では、サイト限定のスペシャル動画を公開中。過去3大会の全99試合を振り返る『センバツ プレイバック』や、高校野球好き有名人が語る『【動画】僕の心を揺さぶったあの試合』といった特集が展開されている。

 ここでは、“2000年以降”に絞って近年の「センバツ優勝投手」に注目。今回は、2014年に“2年生エース”として龍谷大平安をセンバツ初優勝に導いた高橋奎二(現ヤクルト)を取り上げる。


ローテーション定着でブレイク期待


 佐野日大の田嶋大樹(現オリックス)や日本文理の飯塚悟史(現DeNA)、智弁和歌山の東妻勇輔(現ロッテ)、明徳義塾の岸潤一郎(現西武)といった、後にプロ野球選手となる好投手たちが集結した2014年の第86回大会。史上初の「京阪決戦」となった決勝戦を制したのは、4投手のリレーで強打の履正社打線を封じた龍谷大平安だった。

 ハイレベルな投手を複数枚そろえていたチームのなかで、2年生ながらエースとして投手陣の中心に君臨していたのが左腕の高橋奎二。右足を高く上げてから投げ込む独特の投球フォームから“古都のライアン”と呼ばれて注目を集めていたが、この大会でも4試合・23回1/3を投げて失点はわずかに4。安定した投球でチームを支えた。

 しかし、春は翌年も出場を果たすものの、夏は甲子園となかなか縁がなく、3年夏も4回戦でまさかの予選敗退。それでも、その素質はスカウト陣から高い評価を受け、秋のドラフト会議ではヤクルトから3位で指名を受けてプロ入りを果たしている。


 プロ3年目の2018年に一軍デビューを果たすと、3試合の登板でプロ初勝利もマーク。昨季は開幕ローテーションの座を掴み取ると、19試合に登板して4勝。黒星は6つと負け越しはしたものの、一軍の舞台で多くの経験を積むことができた。

 迎えた5年目の今季、ローテーション定着は最低限のハードル。高津臣吾新監督も投手陣の新たな柱として大きな期待を寄せており、球団OBの真中満氏も「ストレートの質は12球団のトップクラスかも」と高評価。「昨年経験ができたので、今年ですよね。ローテーションを1年守れるかどうか」と同じく期待を口にしている。

 オープン戦では3試合に登板して0勝2敗、防御率8.71と打ち込まれたが、今年は「新型コロナウイルス」の影響でプロ野球のシーズンも開幕が延期に。残念な出来事ではあるのだが、じっくりと立て直す時間ができる、とプラスに捉えることもできるだろう。


 40歳の石川雅規が開幕投手を任されるというヤクルト投手陣の現状。大ベテランが今年も元気なのは何よりだが、やはりチームとしてはその座を奪い取る若手に出てきてもらいたい、というのも偽らざる本音だろう。

 今季の活躍を足掛かりに、数年後はツバメのエースへ…。歓喜の春から6年、高橋奎二の2020年に注目だ。


春のセンバツ・優勝校と優勝投手

※2000年以降

2000年:東海大相模(筑川利希也)
2001年:常総学院(村上尚史)
2002年:報徳学園(大谷智久=現ロッテ)
2003年:広陵(西村健太朗=元巨人)
2004年:済美(福井優也=現楽天)
2005年:愛工大名電(斉賀洋平) ※2番手に十亀剣(現西武)
2006年:横浜(川角謙)
2007年:常葉菊川(田中健二朗=現DeNA)
2008年:沖縄尚学(東浜巨=現ソフトバンク)
2009年:清峰(今村猛=現広島)
2010年:興南(島袋洋奨=元ソフトバンク)
2011年:東海大相模(近藤正崇)
2012年:大阪桐蔭(藤浪晋太郎=現阪神)
2013年:浦和学院(小島和哉=現ロッテ)
2014年:龍谷大平安(高橋奎二=現ヤクルト)
2015年:敦賀気比(平沼翔太=現日本ハム)
2016年:智弁学園(村上頌樹)
2017年:大阪桐蔭(徳山壮磨)
2018年:大阪桐蔭(根尾昂=現中日)
2019年:東邦(石川昂弥=現中日)


※優勝投手について
諸説ありますが、ここでは主戦投手、もしくは優勝決定の瞬間に登板していた投手としています。

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