支配下登録
ロッテは31日、育成選手のフローレスが支配下登録選手になったことを発表した。新背番号は『86』に決まった。
今季から加入したフローレスは、現在30歳。育成契約初年度が26歳以上の外国人選手は、支配下登録選手になる場合、3月末までにならなければならないという決まり。3月31日というギリギリのタイミングで、支配下登録選手となった。
フローレスは球団を通じて「球団の皆様、チームの皆様、そしてファンの皆様、また日本で野球をするチャンスをくれた富山の皆様に感謝をします。自分は先発でも中継ぎでも指示があるところで全力で投げます。まずは一軍を目標に頑張ります。チームの勝利のために日々を全力で生き、闘う事を誓います。ファンの皆様、応援よろしくお願いします」と喜んだ。
二軍戦は12イニング無失点
フローレスはベネズエラ出身、191センチ、120キロの大型右腕。07年にインディアンスと契約すると、その後はアメリカマイナーリーグ、メキシカンリーグなどでプレー。昨季はBCリーグの富山でプレーし、22試合に登板して、9勝7敗、防御率2.00の成績を残した。昨年10月にロッテの入団テストを受け、球団は12月23日に育成選手として獲得を発表。
「自分ができることが限られていますので、100%の力を発揮して、それが認められて今ここにいるのかなと思います」。
「支配下になるか、なれないかは最終的に監督、コーチ、チームが決めますので、できることをやるだけ。支配下になりたいですけど、自分がコントロールできることだけは、しっかりやっていきたいと思います」。
春季キャンプ中にこのように話していたフローレスは、実戦がはじまってから春季教育リーグ、二軍練習試合で12イニングを投げて無失点に抑えるなどアピールした。
3月19日の巨人との二軍練習試合では、4回を投げて許した安打は0、3奪三振、0四球、無失点。ストライク先行でテンポの良い投球で、巨人二軍打線を打ち取った。
努力家
フローレスは春季キャンプ中のブルペンで1ボール2ストライクなど、状況を想定しながら投げ込み、3月22日に行われた楽天との二軍練習試合の試合前のブルペンでは、中溝ブルペン捕手に「変化球の回転はどうですか?」と確認する場面も見られた。
振り返れば、松本球団本部長がフローレスを獲得した際、会見で「クイックもできるし、2日目のテストでクイックをみてくださいとクイックをアピールしたくらいなので、日本で成功したい気持ちをすごく感じた」と評価していた。
支配下選手になるため、日本で成功するために、フローレスは言葉通り、自分のコントロールできることを一生懸命に取り組んできた。ブルペン後には、審判に「ありがとう」と日本語で声をかけるなど、感謝の心も持っている。2桁の背番号を勝ち取り、一軍でプレーする挑戦権を得た。“ジャパニーズ・ドリーム”をこの手で掴んでみせる。
▼フローレスの投球成績
(春季教育リーグ)
3月4日 ヤクルト 4回 安1 振4 四死0 自責0
(二軍練習試合)
3月15日 日本ハム 2回 安2 振3 四死1 自責0
3月19日 巨 人 4回 安0 振3 四死0 自責0
3月27日 西 武 2回 安0 振3 四死2 自責0
文=岩下雄太