ロッテ・井口資仁監督

◆ 白球つれづれ2020~第14回・ロッテの粋な取り組み

 ロッテの井口資仁監督がファンの様々な質問に答える企画が話題を呼んだ。

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、プロ野球各球団は活動の停止や休止に追い込まれている。先に行われた12球団代表者会議では、4月24日に予定した開幕も更なる延期を決め、今後の日程は白紙状態となった。

 日本に限らず世界中のアスリートは、病魔の克服とファンへの激励を込めた情報発信に心を寄せている。そんな中で、ロッテが取り組んでいたのが球団公式インスタグラムを使った『井口監督への質問箱』と題したコーナーだ。

 今月1日から5日までの5日間に寄せられた質問は1660件にのぼり、そのうちの58件に自宅待機中の監督から直々の回答が寄せられた。その中身は様々である。

【1】今季のキーマンは?
「種市投手」

【2】タイトルを期待する選手は?
「福田秀平選手の盗塁王」

【3】佐々木朗希の起用法は?
「170キロも将来的には可能。先発で長いイニングを任せたい。田中将大投手が楽天時代に打ちたてた(24連勝の)無敗記録を塗り変えて欲しい」

 上記のようなチーム内の話から、好きなラーメンやカラオケで歌う曲などプライベートな話題まで。ファンにとっては、担当記者顔負けの取材内容となった。指揮官は最終回にあたって「状況は刻一刻と変化しています。どんな逆境にも負けずに集中し、いざ開幕となった時に最高のパフォーマンスをお見せしたい」と結んでいる。

◆ 隔世の感

 元ロッテ球団を担当した者としては隔世の感がある。1970年代のロッテは本拠地を持てない「さすらいの時代」が続いた。東北の仙台を準本拠地として転戦、それが終わると川崎を本拠地とするが市民にも幅広く受け入れられず球場には300人や500人という日々が続いた。情報発信どころか地元に根差した施策すら取られていないのだから負のスパイラルに陥るわけだ。

 そんなチームに光明をもたらしたのが92年の千葉移転である。元々が野球熱の高い土地柄。プロにも長嶋茂雄、掛布雅之、石毛宏典各氏ら、名だたるOBを輩出している。地道に種をまけば花開く土壌があったのだ。

 チームより先に熱烈な応援が注目を集めた時代もある。2003年にはサッカーのJリーグ方式から学んだとされる全員参加の画期的な応援が毎日新聞の「スポーツ人大賞」を受賞。この時は選考委員である作詞家の故・阿久悠氏が強力に推薦している。

 それから2年後の2005年にB.バレンタイン監督を擁して日本一。同監督は日頃からファンサービスの大切さを選手に説き、自らの発案でベンチ上にサインのできるスペースを作って即席のサイン会を実践した。ファンとの交流、情報の発信の大切さを学ぶことで観客動員は年々上昇、一昨年にはついに球団として赤字体質を脱却することができた。

 かつて、観客動員ではセ・リーグに大きく水をあけられていたパ・リーグの人気上昇は、北海道から九州まで幅広いフランチャイズの確立と広報戦略が要因となっている。パ・リーグの経営母体を見ると、ソフトバンクや楽天に代表されるIT企業や、日本ハム、ロッテなど家庭と密接な商品の販売会社などが多い。

 対してセ・リーグは新聞社や電鉄といった歴史ある会社が多いのが特徴。今風の情報発信はパ側がお手の物、ソフトバンクや楽天がネット戦略を駆使すればライバル球団も負けじと切磋琢磨する。こうした環境も手伝ってロッテの発信力も飛躍的に上昇したと言えるだろう。

 井口監督にとって勝負の就任3年目。5位から昨年は4位ながらAクラスも手の届くところまでこぎつけた。調整すら難しい局面だが、来たるべきシーズンに向けて「気持ちを切らさず、諦めずにチームがひとつになって戦う心」を優勝の条件に挙げている。

 ファンの心はつかんだ。後は、チャンピオンフラッグを掴むだけだ。

文=荒川和夫(あらかわ・かずお)


【荒川和夫・プロフィール】
1975年スポーツニッポン新聞社入社。野球担当として巨人、西武、ロッテ、横浜大洋(現DeNA)等を歴任。その後運動部長、編集局長、広告局長等を経て現在はスポーツライターとして活動中。

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この記事を書いたのは

荒川和夫

1975年スポーツニッポン新聞社入社。野球担当として巨人、西武、ロッテ、横浜大洋(現DeNA)等を歴任。その後運動部長、編集局長、広告局長等を経て現在はスポーツライターとして活動中

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