3月20日に開幕が予定されていたプロ野球は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で無期延期となり、17日に行われたプロ野球12球団代表者会議で、5月中のプロ野球開幕断念、セ・パ交流戦の中止が決まった。
交流戦が中止になったことで、ある“記録”が達成される可能性が消滅となった。それは、今季からロッテでプレーする鳥谷敬の“12球団本塁打”達成だ。
セ・パ12球団制となった1958年以降、昨季終了時点で37人が12球団本塁打を達成し、そのうち8人は全13球団から達成。昨季からマリーンズに所属するレアードも19年6月22日のヤクルト戦で、全12球団本塁打をクリアした。
さて話を鳥谷の本塁打の話に戻すと、阪神時代の2004年5月27日の横浜(現DeNA)戦で東和政からプロ初本塁打を放ち、昨季までのプロ16年間で通算138本のアーチを描く。チーム別でもっとも本塁打を放っているのが横浜・DeNAの30本、次いで広島の26本となっている。パ・リーグではソフトバンク、楽天から放った4本塁打がもっとも多い。今季からプレーするロッテ戦は、08年6月14日の交流戦で清水直行(現琉球ブルーオーシャンズ監督)からソロ本塁打を放っている。
井口資仁監督は、球団公式インスタグラムの質問コーナーを通じて、鳥谷について「レギュラーを奪うつもりでやって欲しい。実績とか年齢とか関係なく競争。まだまだやれるというところを見せて欲しい。代打とか守備からとかはまったく考えていない。若い子と争って競争を勝ち抜いてレギュラーの座を掴んで、結果を出して欲しいと思っています。内野はすべての場所で当てはまる可能性はあります」と期待を寄せる。
新型コロナウイルス感染の影響がなければ、5月26日から28日にかけて甲子園で3連戦が行われる予定だった。冒頭に記したように、今季は新型コロナウイルス拡大の影響で交流戦が中止となった。
この記録があることをマリーンズファンならびにプロ野球ファンにお伝えする状況にないのかもしれない。プロ野球の開幕を願って、こういう記録が迫っていたことをファンの皆様には覚えていておいていただけると幸いだ。
▼ 鳥谷敬の球団別本塁打数
30本 DeNA
26本 広島
25本 巨人
21本 ヤクルト
19本 中日
4本 ソフトバンク
4本 楽天
3本 日本ハム
3本 オリックス
2本 西武
1本 ロッテ
文=岩下雄太