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ロッテの選手が語る走塁への意識

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ロッテ・和田=ZOZOマリン (C) Kyodo News

荻野の走塁練習


 3月20日に開幕予定だったプロ野球は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、開幕が無期延期となった。本来であれば、プロ野球が開幕し、多くのファンが球場で熱戦を楽しんでいたことだろう。私たちも取材自粛となるなか、これまでの取材を振り返りつつ、今回はマリーンズの“走塁”に注目したいと思う。

 “盗塁”だけでなく得点を挙げるためには相手の守備のミス、ヒット1本で俊足を飛ばして一塁走者や二塁走者などがホームへ還ってきたり、浅い外野へのヒットも相手の守備の動きを見て打者走者が一気に二塁へ陥れるなど、高い“走塁力”が得点に繋がることもある。

 荻野貴司はシーズン中に素晴らしい盗塁や、次の塁を狙った走塁を見せているが、その準備は当然、シーズンオフから始まっている。

 19年に行なっていたロッテ浦和球場の自主トレでは、反応の練習のひとつとして、一塁ベースの後ろに立つスタッフが手を叩く音にあわせて走ることもあれば、「音で判断するのと、色んな反応の仕方をしていた方がいいのかなと思う」と、投手役に牽制などを入れてもらい実戦を想定した走塁練習も繰り返し行ってきた。

 ときには一人で「スタートのフォームを確認しながら」塁間ダッシュをすることもある。こういった実戦を想定した走塁練習は、春季キャンプ前の恒例行事だ。

 昨季の荻野の走塁で凄いと感じたひとつが、4月21日の日本ハム戦だ。初回無死一塁から藤岡裕大が捕手前に犠打、捕手の石川亮が打球を処理し、普通の走者ならば二塁タッチアウトのタイミングも、荻野は石川が二塁へ送球を試みようとしたときには、すでに二塁ベース付近まで到達し、バント成功ということもあった。翌々日に自主トレで行なっている反応の練習の成果ですかと聞くと、「全然そんなことないですよ。普通に転がったので走っただけですよ」と話していた。

和田の好走塁


 和田康士朗も、1つでも先の塁を狙う姿勢を常に見せている。

 昨季でいえば、3月2日の教育リーグ・巨人との二軍戦で、ワイルドピッチで二塁から一気にホームイン。「キャッチャーがボールを見失っていた。僕の武器は足。そこを見逃さず積極的な走塁。とまらずに良くいったと褒められました」。

 4月29日に行われた日本製鉄鹿島との練習試合では、相手が前進守備を敷く中、松田進の二ゴロで三塁走者の和田は好スタートを切り、ホームに生還。

 公式戦でも6月8日の巨人との二軍戦で、3-4の延長11回無死一塁から安田尚憲の打席中、ワイルドピッチで一塁から三塁へ進塁し、安田の犠飛で同点のホームを踏んだということもあった。

 和田は昨季終了後、次の塁を狙う走塁ができていた要因に「シーズン中盤は代走が多かった。代走の役割として相手の守備陣にプレッシャーを与えないといけない。ひとつでも先の塁を盗むことが代走の役割だと思います」と教えてくれた。

 今季は、その走塁力の高さを一軍で見せつけている。3月1日の楽天とのオープン戦で、1-2の8回無死二塁の場面で、代走で登場すると、福田光輝の内野ゴロで三塁へ進む。一死三塁となり、楽天の内野陣は前進守備を敷く。清田育宏がセカンドへゴロを放つと、楽天の二塁・山崎幹史が打球を処理し本塁へ送球。普通の足であればアウトのタイミングも、俊足・和田はきっちりとホームに生還した。

 この走塁に井口監督も「あの場面でああいう走塁ができるというのは、チームにとって戦力。キャンプから良い走塁をしている」と絶賛した。

高い走塁意識


 3年目の藤岡裕大も、自身が放ったセンター前へのヒットで俊足を飛ばして二塁へ陥れたり、浅い外野への打球で二塁から一気にホームインしたりと、好走塁が多い。

 「相手の守備位置、スタートの良さ、捕るまでの速さ、右投げなのか左投げなのか、そういうのを走ってる中で判断できますし、試合始まる前から判断できる部分。自分がいけると思ったら積極的に。いけると思った打球はアウトにならないと思うので、思い切って次の塁を狙えていると思うので良いと思います」。

 学生時代からベースランニングなどの走塁練習、走塁意識は、高く持ってやっていたとのことだ。

 過去に2度首位打者を獲得したことのある角中勝也は、打撃のイメージが強いが相手の隙をついた走塁をする。16年5月14日の楽天戦では、「ファールなんで、タッチアップしかない。距離がありましたし、体勢を崩すかなと思ったら案の定崩した。風も強かったのでいけるかなと思って走った」と、キャッチャーファウルフライで、捕手の捕球体勢を見て一塁から二塁へタッチアップを決めたということがあった。

 近年では18年7月21日のオリックス戦で、角中がライト前ヒットを放ち、ライトを守っていた選手の動きを見て二塁へ進塁したり、同月24日のソフトバンク戦の2回無死一塁から伊志嶺(現ロッテコーチ)の浅いレフト前ヒットで、スタートを切っていた一塁走者の角中が一気に三塁へ進塁と、走塁への意識、判断力が高い。

 マリーンズの武器のひとつが“走塁”や“盗塁”といった“足”を使った攻撃。走塁意識の高い選手も多く、相手の隙をついた走塁や攻撃が増えていけば、上位進出、リーグ制覇も見えてくる。

文=岩下雄太
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