ロッテの佐々木千隼

◆ 佐々木千隼の武器にしたいボール

 「右の外、左の内はシュートするので、ボールだと思ったところから入るというのは、いいかなと思うので、それを武器にできればいいと思います」。

 「ただ、外を狙って真ん中に入る。左の内狙って真ん中に入るというリスクは、すごくある。その精度はまだまだ。それが武器になるんだったら、強みのひとつになると思います」。

 昨年シーズン終了直後の10月に、右打者のアウトコースのストレート、左打者へのインコースのストレートについてこのように話したのがロッテの佐々木千隼だ。

 筆者が佐々木のストレートに注目するようになったのが、18年7月に『右ひじの関節鏡視下遊離体除去術』の手術後の復帰2戦目となった19年4月13日の日本ハムとの二軍戦。

 この試合の佐々木の投球結果は1回2/3を投げて、2安打、4四死球、4失点という内容だったが、1イニング目となった7回に松本剛に対し、3ボールから投じた4球目の外角のストレートがかなり印象に残った。

 佐々木本人に後日直接伝えると、「あれがコンスタントに投げられればいいなと僕も試合後思いました」と話し、「投げミスなく、あそこにコンスタントに決められれば、ゲームは作れるなと感じます。難しいことだとわかっていますけど、それをやらないと一軍にも上がれないと思うし、一軍で勝てないと思う」と明かしている。

 そこから佐々木のストレートに、より注目するようになった。5月12日のヤクルト二軍戦では、「何球かはいい球はありましたが、どうですかね…」と首をかしげたが、2回に投げた吉田大成への初球のストレート、2回に藤井亮太に投じた初球の外角ストレート、さらに3回に奥村展征を見逃し三振に仕留めたインコースストレート、4回に大村孟を見逃し三振に仕留めたインコースストレートと、左打者へのインコースのストレートが良かった。

 そのなかでも奥村を見逃し三振に仕留めたストレートが良かったので、何球かいい球のひとつに含まれるか問うと、佐々木は「それが一軍だったらどうなのかなというのはありますし、一軍のバッターだったら…と思いますから、もっと強くてというのを求めてやっていきたいと思います」とあまり満足している様子ではなかった。

◆ 現状に満足せず

 7月9日の日本ハム戦で約2年ぶりに一軍の先発マウンドに上がり、7回を1失点に抑え勝利投手となると、登板間隔をあけながら先発登板した。

 一軍でも8月15日の日本ハム戦で3回に中島卓也に投じたインコースのストレート、4回に大田泰示に投じた外角への2球など、良いボールを投げていた。8月15日の日本ハム戦直後の、8月22日にロッテ浦和球場で行なった取材では、本人の評価は厳しかった。

 右打者の外角のストレートについては、「ストレートが動くので、田村から『そんなにストレートを消そうとか、動くボールが嫌だと思って投げないで欲しい』、『それが持ち味だと思って投げて欲しい』と言われました。でも右の外に投げるということは、真ん中付近に入ってくるリスクはある。そこをもっと自分のものにできて、自分の武器にできたらいいのかなと思いますね」と課題を挙げつつ、自分の武器にしていきたいとの意志を見せた。

 一方、左打者へのインコースのストレートについても、「それも(真ん中に)入ってくるリスクがあるので精度をあげて確率よく投げられたら、いい武器になるのかなと思いますけど、その確率が低かったらチャンスボールにしかならない。しっかり投げきれたらいいかなと思います」と課題の言葉が並んだ。

 「(右打者への動くボールは)わざと動かしているんだったら、いいんですけどね。精度をあげて甘いところに投げないように、技術が身につけばいいのかなと。しっかりコースに投げ切れた方がいいなと思います。それができていないので、もっと精度をあげていけたらなと思います」。

 課題の言葉が並んでいるが、ここに投げ切る精度、意図的に投げ切ることができれば、自身の大きな武器となる。本人も「それを意図的に投げられるんだったら強みかなと思うんですけど、シュートしたり、時にまっすぐいったりという感じ。それが操れるのであれば、いいかなと思います」と自覚している。

 マリーンズのファンの多くが、佐々木千隼の2年ぶりの一軍復帰登板での勝利に涙し、復帰を喜んだ。一軍のマウンドで、佐々木千隼を活躍する姿を多くのファンが待ち望んでいる。

文=岩下雄太

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この記事を書いたのは

岩下雄太

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