1回でも難しいタイトル
「新型コロナウイルス」の影響により、シーズンの開幕を見合わせているプロ野球界。政府からの「緊急事態宣言」が5月31日まで延長となったなか、一体いつになれば開幕を迎えることができるのか、できたとしてどのくらいの規模になるのか、日程の短縮はあるのかなど、すべてが不透明な状況で選手たちは難しい調整を強いられている。
そのなかで、今回スポットを当てたいのが「昨年のタイトルホルダー」たち。そこから「前年に続いてタイトルを獲得した選手」に絞ってみると、メジャーリーグに挑戦する秋山翔吾(西武/最多安打)以外はみな2年連続の勲章。今季は「3年連続」を目指すシーズンとなる。
1回でも獲得するのが難しいタイトルを、継続して手中に収め続けるというのはまさに偉業。特に今年は難しい状況が続いているなか、3年連続でそのベルトを守ることができるのか。防衛に挑む選手たちに迫ってみたい。
今回はセ・リーグ編。
山﨑康晃(DeNA)
☆最多セーブ投手賞
(=2年連続2度目)
こちらも実は紆余曲折、ここまでに変遷があったタイトル。かつてセ・リーグでは1976年~2004年まで、パ・リーグでは1977年~2004年まで『最優秀救援投手』という名称で、セーブ数と救援勝利数を足した「セーブポイント(SP)」の数で表彰。それとは別に、セーブ数が最も多かった投手を単独で『最多セーブ投手』として表彰していた。
しかし、時が経つにつれてストッパーは最終回の1イニング限定で起用されるのが当たり前となり、2005年からはセーブ数のみで表彰を行っていく方向へシフト。それが現在の『最多セーブ投手賞』である。
プロ1年目から37セーブを挙げてハマの守護神に定着した山﨑康晃は、2018年に37セーブで嬉しい初タイトルを受賞。昨季は30セーブと少し数を減らしたものの、61試合の登板で防御率1.95という安定した投球で2年連続のタイトルをゲット。秋に行われた『プレミア12』では、日本の守護神としてチームの世界一に貢献した。
2005年に現行の『最多セーブ投手賞』というタイトルになって以降、このタイトルを3年連続で獲得した投手はいない。歴代No.1の407セーブを誇る岩瀬仁紀でさえも、2年連続が2回あるだけで、3年連続でタイトルを獲得することは叶わなかった。
ちなみに、『最優秀救援投手賞』を見ると、チームのレジェンドである佐々木主浩が1995年から1998年まで4年連続でタイトルを獲得。新たな時代をつくり、偉大な先輩の背中に近づくことができるか。ハマの背番号19から目が離せない。
▼ プロフィール
ポジション:投手
投打:右投右打
身長/体重:179センチ/88キロ
生年月日:1992年10月2日
経歴:帝京高-亜細亜大-DeNA(14年・D1)
[昨季成績] 61試(60.0回) 3勝2敗4ホールド・30セーブ 防1.95
[通算成績] 303試(296.0回) 13勝17敗36ホールド・163セーブ 防2.34
ネフタリ・ソト(DeNA)
☆最多本塁打者賞
(=2年連続2度目)
セ・リーグで3年連続タイトルを目指すのは、いずれもDeNAの選手ということになった。ここ2年連続で最多本塁打者賞を受賞しているのが、助っ人のネフタリ・ソトである。
来日1年目はシーズン途中からのレギュラー定着ながら107試合で41本塁打の大暴れ。丸佳浩(当時・広島)やウラディミール・バレンティン(当時・ヤクルト)、チームメイトだった筒香嘉智(現・レイズ)らとの熾烈な争いを制し、いきなりタイトルを獲得する。
すると、2年目はレギュラーとして141試合に出場し、マークも厳しくなった中で前年を上回る43本塁打をマーク。2年連続のシーズン40発は、チームではタイロン・ウッズ以来の快挙。さらに108打点で自身初の打点王も獲得し、セ・リーグ二冠に輝いた。
この2年で大きなインパクトを残したプエルトリコ出身の31歳。もし今季も40本塁打以上を記録することができれば、「3年連続40発」は球団史上初の偉業だ。
また、「連続ホームラン王」も、球団ではウッズと村田修一の2年連続が最長。3年連続となれば、こちらも球団初のことになる。
“本数”に関しては、試合数がどうなるかによって大きく左右される部分ではあるだけに不安も大きいが、是非ともWで達成して球団史にその名を刻んでもらいたい。
▼ プロフィール
ポジション:内野手
投打:右投右打
身長/体重:185センチ/97キロ
生年月日:1989年2月28日
[昨季成績] 141試 率.269(516-139) 本43 点108
[通算成績] 248試 率.288(932-268) 本84 点203