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投げる姿にキュン…竜の黄金期を支えた剛球リリーバー【フォーカス・レコードホルダー】

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中日のブルペンを支えた浅尾拓也 (C) Kyodo News

フォーカス・レコードホルダー ~ホールド(シーズン)~


 「新型コロナウイルス」の問題で未だ開幕の見通しが立っていないプロ野球。前に進むことができない今こそ、過去の偉大な記録にフォーカスを当てて振り返ってみよう……ということで始まったのがこの企画。

 その名の通り、過去の記録にスポットを当て、“歴代No.1”の記録を持っている選手を中心に振り返ろう、というのがテーマ。今回取り上げるのは「シーズンホールド数」。早速だが、NPBの歴代トップ10を見てみよう。


▼ 歴代最高記録・ホールド(シーズン)
1位 47個 浅尾拓也 [中日/2010]
2位 46個 藤川球児 [阪神/2005]
2位 46個 久保田智之 [阪神/2007]
4位 45個 浅尾拓也 [中日/2011]
4位 45個 増井浩俊 [日本ハム/2012]
6位 44個 山口鉄也 [巨人/2012]
6位 44個 五十嵐亮太 [ソフトバンク/2014]
8位 43個 平野佳寿 [オリックス/2011]
8位 43個 宮西尚生 [日本ハム/2019]
10位 42個 ジェフ・ウィリアムス [阪神/2007]
10位 42個 佐藤達也 [オリックス/2014]


ホールドポイントもNo.1


 通算記録と同様、最近の投手で埋め尽くされたランキング。僅差の争いでトップに立っているのが、中日で活躍した浅尾拓也だ。

 常滑北高から日本福祉大を経て、2006年の大学・社会人ドラフト3巡目で中日に入団。記録を作った2010年はプロ4年目だった。

 前年に自己最多を更新する67試合に登板してブレイクを果たした右腕は、シーズンを通してセットアッパーのポジションを託され、守護神・岩瀬仁紀につなぐ役割を全う。権藤博は持っていた球団記録を更新する72試合に登板して、記録したホールドは「47」。シーズン最終盤の9月25日にハナ差抜け出し、日本新記録を打ち立てた。


 ちなみに、この年はリリーフながら12もの勝ち星を挙げ、救援勝利とホールド数を足した「ホールドポイント」は59。こちらも今なお破られぬ日本プロ野球のシーズン記録だ。9月には同じく日本新記録の「21試合連続ホールドポイント」という大記録も作っている。

 180センチほどの身長に80キロに満たない体重、スラっとした体格に色白、そしてその甘いマスクから、ユニフォームを着ていなかったらモデルや俳優と間違える人も少なくないだろう。ファンからは「浅尾きゅん」の愛称で親しまれたが、その右腕から放たれる剛球はとても「きゅん」という呼び名とは結びつかない強烈なもの。マウンド上で静かに闘志を燃やし、全身を使って屈強な相手打者に挑んでいく姿は多くのファンの心を惹きつけた。


 2009年に33ホールド、2010年に日本新記録の47ホールド、翌2011年も歴代4位タイの45ホールドと、この3年間で125ホールドを荒稼ぎして見せた浅尾だが、2012年以降はそれまでのフル回転が祟ってか故障や不振に悩まされるようになり、思うような活躍を見せることができず。結局、通算のホールド数は「200」ちょうどでストップした。それでも日本歴代3位という素晴らしい記録ではあるのだが、やはり驚異的なあの3年間の活躍を見た後だけに、少し寂しい気持ちにもなる。

 2018年にユニフォームを脱ぎ、現役引退後は中日で二軍投手コーチに就任。入団時から「早くから自分のことを目にかけてくれた中日に恩返しがしたい」という想いの強かった男は、現在ファームで後進の育成に尽力している。

 今度は自身の後継者を育てることでチームに恩返しを…。自分の記録を超えて行くような名リリーバーを輩出することができるか、浅尾拓也の戦いは続いている。


▼ 浅尾拓也(2010)
72試(80.1回) 12勝3敗 防御率1.68
1セーブ 47ホールド 59ホールドポイント
打者307 被安打60 被本塁打4
四球10 死球1 奪三振75
暴投3 ボーク0 失点16 自責点15
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