大学時代に首位打者
ロッテのドラフト2位ルーキーの佐藤都志也。東洋大2年春には打率.483で首位打者に輝くなど、走攻守三拍子そろった“打てる捕手”として期待される。
本人も新入団会見のときに「自分の持ち味は走攻守、三拍子揃ったなかでの打てるキャッチャーとして、自分は指名されたと思っているので、期待に応えられるように頑張りたいと思っています」と意気込んだ。
その気持ちは、プロに入ってからも変わらない。春季キャンプのときの取材でも「打てる捕手として期待されている。キャッチャーとしてもそうですし、打てるバッターとしてやって生き残っていきたいと思います」と決意を述べている。
佐藤のなかで、“打てるキャッチャー”としてのこだわりを強く感じる。春季キャンプ一軍スタートを切った佐藤は、2月9日に行われた楽天モンキーズとの国際交流試合で2安打1打点とアピールした。
一軍が大阪遠征中にロッテ浦和球場で行われたファームの春季教育リーグに参加した時期もあったが、春季教育リーグでは東洋大の先輩・上茶谷大河から2点適時打を放つなど、2本の安打を放った。オープン戦でも4試合に出場し、3月14日の中日とのオープン戦では昨季8勝をあげた種市篤暉とバッテリーを組み、5回を1失点に導く好リード。打ってもオープン戦初安打となる二塁打を放った。
ただ、オープン戦で放った安打はこの1本で、練習試合でも複数安打を放った試合は2月9日の楽天モンキーズ戦のみ。オープン戦後に行われた練習試合には3試合に出場したが、8打数0安打と悔しい結果に終わった。
打撃力向上がカギ
開幕一軍、一軍定着、スタメン奪取するためには、正捕手の田村龍弘、昨季夏場以降スタメンマスクを被ることの多かった柿沼友哉らと争うことになる。
正捕手争いについて佐藤は春季キャンプ中、「正確性であったり、キャッチャーとしての基礎が自分と比べ物にならないくらいある」と力の差を痛感。「自分の持ち味はバッティング。バッティングをとったら正捕手になれないと思っている」と、守備面を磨くとともに、打撃もレベルアップしていく必要があると語っていた。
田村は昨季の打率は.243ではあったが、走者が二塁にいるときには右打ちで三塁へ進めたり、時には大きい当たりを打つなど打率以上の働きを見せている。柿沼も昨季34試合の出場だったが、10個のバントを決めた。“経験”が問われるポジションのなかで、佐藤がレギュラーを奪う一番の近道は一軍で出場するための守備力とバッティング。特に期待されている打撃で、どこまで田村、柿沼を脅かすことができるかがカギとなりそうだ。佐藤が田村、柿沼の牙城を崩すことができるか注目だ。
文=岩下雄太