昨季の4番打者が…
阪神は9日、敵地・マツダスタジアムで広島と対戦。左腕のクリス・ジョンソンを前に4回を1安打に封じられるなど、トータル3安打の1得点と打線が沈黙して破れた。
一方その頃、ナゴヤ球場では、本来ならば広島の地にいてもおかしくない男が存在感を放った。虎の背番号3、大山悠輔である。
2016年のドラフト1位で阪神に入団し、今年がプロ4年目。昨季は主に4番を任され、全143試合に出場。自身初の規定打席到達も果たし、今季は不動の主砲としての活躍に期待がかかっていた。
ところが、チームは今季ジャスティン・ボーアとジェリー・サンズという大砲を補強。練習試合では3番に昨季から在籍するジェフリー・マルテ、4番にボーア、5番にサンズという“助っ人クリーンナップ”が組まれることが多く、大山は開幕前に実戦機会を確保する意味合いも含めて、このところはファームで出場することも増えている。
ナゴヤ球場で躍動した背番号3
9日の試合はレフトでスタメン出場。今後の可能性を広げるべく、最近は外野にも挑戦している。
第1打席は初回、無死一・二塁というチャンス。中日先発・福谷浩司のやや内寄りの変化球を振り抜くと、打球は詰まりながらもレフトの前へ。これを相手の左翼手がダイビングキャッチを試みたが、間に合わずに打球は外野を転々。二者を還す適時二塁打となった。
3回も、一死一塁から打席中に一塁走者が盗塁を決め、一死二塁のチャンス。フルカウントからのまっすぐをうまく右に運ぶと、打球はライトの前にポトリ。内寄りのボールを押し込むようにして打った分、変な回転がかかった打球は、フィールドに落ちるとイレギュラーバウンドのように方向を変え、これを右翼手が後逸。記録はヒット+エラーとなったが、2打席連続となる適時打を記録する。
さらに5回、左腕の浜田智博との対戦では、内角低めの速球を見事に捕らえ、ライナーでレフト線を破る二塁打。3打席連続となる快音で状態の良さをアピール。8回の第4打席も死球で全打席出塁。守備でも試合途中から三塁に回ってフル出場と、精力的な動きを見せた。
前年に一軍で全試合出場を果たしている男でも、アピールを継続していかなければ居場所はない。それが厳しい勝負の世界だ。
開幕まで10日を切り、いよいよカウントダウンといったところ。大山は開幕戦のスコアボードに自身の名前を点灯させることができるのか。最後まで目が離せない。
▼ 大山悠輔・打撃成績(6/9)
「3番・左翼」
1. 左二(+2)
2. 右安(+1)
3. 左二
4. 死球