エースの課題は明確に
オリックスの開幕投手に決定している山岡泰輔投手が12日、阪神の開幕投手・西勇輝とのエース対決に臨み、1週間後に迫った開幕に向けて最終調整を行った。
試合前には、「きょうは5イニングくらい。前回、ボールが抜けたところを調整していきたい。試合に近い感じで投げたい」と語っていた山岡。
初回に先頭の近本光司を四球で歩かせると、続く糸原健斗が一塁強襲のライト前ヒットで、無死一・三塁に。3番・糸井嘉男の併殺崩れの間に近本がホームに帰り、阪神に先手を許す格好となる。
それでも、味方打線が2回に奮起。この日から復帰した中川圭太がライト前へ、大城滉二がレフト前へと連打を放つと、若月健矢が送りバントを決めて二死二・三塁。続く安達了一がピッチャー強襲の内野安打を放ち、試合を振り出しに戻した。
その後、3回・4回と両エースが投げ合う形に。
試合が落ち着きかけたところ、山岡は5回に阪神・梅野隆太郎の中安打と盗塁で得点圏に走者を背負うと、続く近本の適時右前打で失点。先に勝ち越し点を与え、この回まででマウンドを降りた。
この日は5回を投げて74球、被安打4、与四球3、失点2という内容で降板。「調子は普通です。怪我だけしないように。今日も最低限のイニングを投げられた」と振り返りつつ、「開幕戦では最後まで投げて抑えれるようにしたい」と、いよいよ1週間後に迫った"本番"に向けて意気込みを語った。
期待の打者たちが活躍
オリックスは6回、阪神の2番手左腕・飯田優也を捕まえて二死満塁から、T-岡田が四球を選び、押し出しで再び同点。そして8回には、同じくT-岡田がライト最上段席を越える超特大逆転ソロホームランを放つなど、「1番」を務めたスラッガーが存在感を示した。
試合は、クローザーのディクソンがピリッとせず、9回表に同点とされ、その裏も勝ち越せぬまま終了。それでも9回裏に二塁打を放った中川が復帰早々4安打と大活躍。「全試合に出場することと、規定打席に到達すること」を目標に掲げる若手の活躍に、西村徳文監督も「いるのといないのは違ってくる」と目じりを下げた。
練習試合も残り2日。役者がそろい、指揮官はここから開幕の打順を決めていく方針だ。
取材・文=どら増田