思い切って腕を振ることを意識
ヤクルトのドラフト1位ルーキー・奥川恭伸が12日、埼玉の戸田球場でプロ初のシート打撃に登板した。長岡、武岡、川端、濱田の4人に対して計34球。ストレートの他、変化球はスライダー、カーブ、フォークに加え、新たにツーシームも投げ込んだ。
「思い切って腕を振ることを意識した」という黄金ルーキーは、2015年の首位打者・川端に対し、第1打席でこの日最速の153キロのストレートを投げ込み二ゴロに抑えると、第3打席では140キロのフォークで空振り三振を奪った。
奥川は「この時期にそれだけスピードが出てくれることは、とてもいいことだと思いますし、新しい球種も練習して、しっかり試合で投げられるようなボールにしていきたいなと思います」とコメント。対戦した川端は「高卒1年目の投手の球ではないと感じた。スピードガン通りのスピードだった。最後に空振りしたフォークはとても良かった」と感嘆した。
川端からフォークを絶賛された奥川は「しっかり腕を振れたと思うので、バッターも振ってくれたと思いますし、そういう投球を違う球種でもできるようにしたいです」と、向上心を忘れない。
池山二軍監督も「楽しそうに投げていた。ボールのキレ、一段と磨きがかかってきたなと思います」と、奥川の成長過程を頼もしく見つめる。確実に歩みを進めている背番号「11」。球界の未来を背負う19歳の実戦デビューが待ち遠しい。
取材・文=別府勉(べっぷ・つとむ)