5回無失点
ロッテの種市篤暉は13日、西武との練習試合に先発し、5回を4安打無失点に抑えた。
「序盤少しフワフワした感じだったのですが、後半は修正ができてしっかりとコントロールできたと思います」。立ち上がりは良い球も多かった一方で、4番・山川穂高に四球、続く5番・外崎修汰に初球から3球連続ボールと、ボール球も目立った。それでも、3ボールから外崎を左飛に打ち取り、一、二塁のピンチを脱した。
中盤以降はストライク先行の投球で、4回は外崎修汰、川越誠司、木村文紀と三者連続三振、この日最後のイニングとなった5回も11球中ボールは2球と安定したピッチング。終わってみれば、強打の西武打線に対し、三塁を踏ませない投球だった。
修正力の高さ
「前回は変化球で三振がとれなかったのですが、今日は変化球でも三振がとれたのが収穫です」。
前回登板の7日の楽天との練習試合では、追い込んでからストレート勝負が多かったが、この日は5奪三振のうち3つが変化球で奪った三振だ。特に初回源田壮亮を空振り三振に打ち取ったフォークは、ストライクゾーンからボールゾーンへ落ちる、“これぞ種市”と呼べる落差のあるボールだった。
前回の登板後の談話では「決め球も全く決まらなかったので、変化球に関してはもっと修正が必要かなと思います」と反省し、そこから1週間でしっかりと修正。2日の日本ハム戦後の談話では「腕が振れなかった。ストレートでファウルが取れませんでしたし、決め球もなかったです」と話し、7日の楽天戦で素晴らしいストレートを投げていた。
何度も記しているが、種市は昨年から前回登板の反省を続く登板でしっかりと修正することができる。この日は、試合中に修正した。どこをどのように修正すれば良くなるのかということを自身で理解し分析できる思考力があることに加え、常に自分と向き合い、今よりも良いフォーム、良い投球を追い求めているからだろう。
「まだまだ状態を上げていきたいと思っているので、しっかりと残り1週間調整していきたいと思っています」。昨年は目標のひとつであった開幕一軍をつかんだが、「想像とは違う形ですけど、一軍にいれる事が大事なので全力で頑張りたいと思います」と開幕ローテーションに入ることができなかった。今年は開幕から先発ローテーションの一角として活躍が期待される。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、開幕は3カ月遅れたが、シーズンが開幕したときにマリーンズファンがワクワクするようなストレート、ピッチングを披露し、チームに数多くの勝利をもたらして欲しい。そして、今年はマリーンズの“エース”へ足がかりの1年になることを期待したい。
文=岩下雄太