チームは今日も「あと1本」に泣く
オリックスは20日、延長戦の末に1-2で楽天に敗戦。パ・リーグ唯一の開幕2連敗となったが、先発の3年目左腕・田嶋大樹が好投。オープン戦や練習試合では不安を残す投球内容だったが、「しっかり準備する時間があって、いろんな課題を克服する時間もあって、いい時間にできた」という言葉通り、今回の延期をプラスに変えてみせた。
田嶋は3回まで1安打の無失点ピッチングだったが、1点リードで迎えた4回に、たった2球で1点を失ってしまう。先頭のブラッシュに二塁打を、続く島内宏明に右安打を許し、試合は振り出しに。失点は4回の1点にとどめたものの、5回77球、3安打、3四球という内容で降板した。
「調子自体は良かった」という田嶋は「最低限ゲームを作ることはできたと思う。失点の場面、簡単に打たれたところは反省しないといけないが、全体的にはテンポよく投げることができていた」と振り返り、手ごたえも口にした。
試合は、新助っ人のロドリゲスとジョーンズに来日初安打が生まれるなど、毎回のように走者を出したが、今年も「あと1本」が出ずに16残塁。「1-2」というロースコアゲームながら、ゲームセットまでに4時間18分を要したことが、すべてを物語っている。
試合後、西村徳文監督は「あれだけチャンスがあったわけですから」「チャンスはあったと思うんですけどね」「これだけチャンスを作ってるわけだから」と、同じような発言を繰り返し、この日の試合内容を悔やんでいた。
チームにとっての明るい兆しは、前日の山岡泰輔に続いて、田嶋にも目処がついたこと。21日は山本由伸がチーム初勝利に向けてマウンドに上がる。昨季、味方のムエンゴに泣いた右腕を、今年は打線が援護したいところだ。
文=どら増田