2020.06.21 13:00 | ||||
オリックス・バファローズ | 4 | 終了 | 0 | 東北楽天ゴールデンイーグルス |
京セラD大阪 |
ストレートで楽天打線を圧倒
連敗中だったオリックスの3戦目を託されたダブルエースの一角、山本由伸が指揮官の期待に一発快投した。
「オープン戦で点を取られていたので、いつも以上に気をつけて」臨んだ立ち上がり、先頭の茂木栄五郎を全球ストレートで3球三振に仕留めると、最速155キロの直球を含め、150キロ台を連発。三者連続三振という「最高の立ち上がり」を見せた。
首脳陣は「最低でも勝ち越し、願わくば3連勝」という思いから、開幕3連戦に山岡泰輔と山本由伸のダブルエースを投入したが、打線と中継ぎが踏ん張れずに2連敗。そんな負の流れの中で、初回から楽天打線を寄せ付けない圧巻の三者連続三振。これには無観客の京セラD大阪も騒ついた。
その裏、ここ2戦沈黙していた打線が先制点を奪うと、その後は「とにかくその点を守ろうと思って投げた」という山本が、「手ごたえがあった」と振り返ったストレートで楽天打線を圧倒。8回までで94球、無四球3安打の無失点、10奪三振という内容で、“神童”の異名に相応しい快投を見せた。
これには西村徳文監督も「初回からかなり飛ばしてるのは見えた。素晴らしいピッチング」と賛辞を送り、完投させなかったことについては「本人とは話をし、球数のところを考え、きょうは100球以内で終わらせようと思ったので代えました」と説明した。
その成長ぶりに指揮官は目を細め、「初回の投げっぷりを見て、皆がヨッシャという気持ちになったと思う。最初から飛ばし過ぎじゃないかと思うぐらい力入れていた。キャンプから見ていて、相当な責任感を持ってくれているのは感じている」とコメント。エースへの信頼度は増すばかりだ。
弱冠21歳の右腕も「もっともっと良いピッチングができるように、来週に向けて良い準備をしていきたい」と、さらなる高みを見据える。“神童”ヨシノブの2020年シーズン開幕は、チームの初勝利と共に訪れた。
文=どら増田