2020年のセ・リーグを大展望!
6月19日(金)、プロ野球の2020年シーズンが開幕した。
当初の予定から遅れること約3カ月、長いプロ野球の歴史のなかでもまったく前例のない戦いがスタート。いまだ球場にファンの姿はなく、完全な野球の風景を取り戻すまでには至っていないものの、ようやくプロ野球のある日々が帰ってきた。
今回はそんな特別なシーズンを皆で楽しむべく、「まだ間に合う!2020年の注目ポイントを総まとめ」と題し、各チームの注目ポイントを改めておさらい。
プロ野球OBで解説者の里崎智也さんと、野球好き歌手としておなじみの河野万里奈さんを迎え、セ・リーグ各球団の今季展望や、注目選手について語ってもらった。
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取材=尾崎直也
撮影=兼子愼一郎
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CSがないことの懸念
―― これまでにないプロ野球の開幕となった2020年。“特例事項”について、河野さんから里崎さんに聞いてみたいことはありますか?
河野:セ・リーグは久しぶりにクライマックスシリーズがないということで、優勝を狙って、優勝一直線で行くしかないというところが気になります!
―― 特に終盤は大きな影響がありそうですよね。
里崎:まぁ、おもしろくないシーズンになるのかなぁ、と。
河野:え!?(笑)
里崎:パ・リーグは2004年からプレーオフがありましたよね。僕は2003年以前もプレーしてましたけど、通常の3月末開幕だった場合、早いと8月半ばくらいから消化ゲームになってしまうんですよ。約1カ月半くらいが消化ゲームに。すると、自然とメディアの扱いは小さくなりますよね。ニュースだったら優勝争いが最優先で、消化試合はテロップだけになってしまうかもしれない。新聞も紙面の扱いは小さくなるでしょうし、雑誌の特集なんかもなくなるでしょうから、露出がどんどん減っていきますよね。野球の存在感がどんどん小さくなってしまうという懸念がありますね。
―― 徐々に他のスポーツも動き始めますから、どこを減らしていくか、ということになりますよね。
里崎:あとは、消化試合と言えば昔のタイトル争いみたいな、盗塁されたくないからボークをするとか、不要な敬遠とかも。選手としても、自己犠牲の精神がなくなってくるんですよ。優勝の可能性もないのに、自分の成績を下げて勝利に貢献しても、自分の給料は下がってしまう。自分の成績を上げるためだけに頑張るようになるんですよね。これは仕方がないんです。
河野:なるほど…。
―― そういう意味での、先ほどの「おもしろくないシーズン」という。
里崎:考えてみてください。もし、しばらくしてお客さんを入れてもいいとなった時、この状況だったら…?コロナの不安もある中で、消化試合で主力は出ない、チーム全体で勝ちに行く姿も見えていない、なんてことになれば、お客さんも見に行こうとは思いませんよね。なので、スケジュールの問題などで今年は仕方がないのかもしれませんけど、ちょっと怖さはありますよね。経験上。
セ・リーグ各球団の注目ポイントは?
▼ 読売ジャイアンツ
―― ここからは、球団ごとに注目ポイントを見ていきたいと思います。まずは、昨年のリーグ王者・巨人についてお願いします。
里崎:山口俊と阿部慎之助の穴を埋め切れるかどうか、ですね。まず期待されているのがエンジェル・サンチェスとヘラルド・パーラという新外国人の2名。開幕カードでは良い働きを見せましたが、これを継続していけるかどうかですね。
―― エース・菅野投手の復活というところも不可欠でしょうか。
里崎:結局、柱はその一本ですから。だからこそ、サンチェスがそこに伴ってくるかどうかが大きい。打線も、パーラが活躍しなくなると、下位は手薄になってくる。坂本勇人・丸佳浩・岡本和真というところが軸で、それ以降が打たなければ厚みある攻撃ができない。サンチェスとパーラが1年間どう戦えるか、という部分がポイントでしょうね。
―― 河野さんは今年の巨人で注目している選手はいますか?
河野:開幕までの実戦で一番気になったのは中島宏之選手です。すごい復活を遂げたなぁ、と。それこそ、里崎さんもおっしゃっていたクリーンナップの後を強くするという点で、貢献しているなと思ってみてました。
里崎:もう“最後の挑戦”ぐらいの意気込みですよね。ダメだったらやめるだけ、誰も待ってくれない。あとはどこまで頑張れるか、というところ。
河野:もともと中学生の時にすごく好きで、架空の対談記事とか作っていたくらい好きだったんです(笑)去年までは苦しんでいた部分もあったので、今の姿はすごく嬉しいのと同時に、何が起きたんだろう、っていう。
―― 石井琢朗コーチとの出会いが大きかった、という話もありますね。
里崎:まぁこれを1年間続けないといけないですからね。「出だしとしては良い」としか言えない部分も。単発だけなら、たぶん僕も引退してなかった。半年間やらないといけない、というのはきついものがあるんです。
河野:なんとか最後まで元気な姿が見たいです!
▼ 横浜DeNAベイスターズ
―― 続いて、昨年2位のDeNAについてはいかがでしょうか。
里崎:新外国人のタイラー・オースティン、それから4番に入る佐野恵太が筒香嘉智の穴を埋められるかどうか、だと思います。結局、打てなければ勝つことはできない。開幕3連戦は打線が元気なく連敗、3戦目も最後はなんとか勝ちましたけど、やはり苦しみましたもんね。
河野:一番好きなのがネフタリ・ソト選手なので、今年も注目しています。40本打ってほしい!
里崎:ソト・オースティン・ロペスで100本塁打を打てれば、良いところまで行くかもわからないですよ。40・30・30ですね。
河野:あとは、守備は大丈夫かな…と思う部分が少しあったりします。柴田竜拓選手の動きがとても良く見えて期待をしていたんですが、セカンドはソト選手ですよね。
―― オースティン選手の加入によって、シートの右側に外国人選手が固まる守備フォーメーションが予想されていますね。
里崎:守備は捨てていますよ。
河野:えー!(笑)
里崎:そこに目をつむってでも、点を取って勝ちに行こうということ。守備に重きを置くなら、この編成にはならないですよ。とにかく打って勝つ。今年のDeNAはそこです。
▼ 阪神タイガース
―― 続いて、昨年3位の阪神です。矢野燿大監督2年目になりますが、開幕は3連敗スタートとなりました。
里崎:外国人次第でしょう。投打ともに、です。
―― 今年は外国人選手の登録枠も1枚増えています。
里崎:ただ、それは先発が2枚いないチームは有効活用ができないんですよね。ベンチ入りは4人までだから、結局のところ誰か一人を外さなければならない。先発が2枚なら、投げない方を外して、残りをフル活用することができますけど、先発が1枚しかなくてその投手が投げる日は、ちょっと考えなければいけない。全チームが恩恵を受けるというわけではないんですよね。
―― 河野さんが注目している阪神の選手は?
河野:ちょっと、開幕3連戦がショッキングな感じだったので…。ジェリー・サンズ選手も期待していたのですが、開幕一軍に入れませんでした。今後、打線の救世主として出てきてくれればと思うんですけど…。
―― やっぱり打線に兆しが見えてこないことには、という感じでしょうか。
里崎:数試合で見切る必要もないとは思いますけど、いつまでガマンできるかというところですよね。あとは、大山悠輔は今年使わないのかなという。ベテランを休ませるためのたまにレフト、みたいな感じになっていますけど、去年は多少ガマンしながら4番として経験を積ませていましたよね。あれは何だったんだろうな、という部分も…。
▼ 広島東洋カープ
―― 続いては広島です。佐々岡真司新監督が就任して、開幕3連戦は勝ち越しスタートになりました。
里崎:田中広輔と、森下暢仁次第じゃないですかね。田中は昨年不振に苦しんで、故障もあって。今年はどこまで戻せるのか。2年目の小園海斗もいますが、まだ1年というところで見たら厳しいと思います。森下はドラ1として入ってきて、頭数が足りてない先発陣にきっちり入ってきた。初登板も勝ちはつかなかったですけど、投球の内容は良かったので、あとは1年間プロで戦っていくスタミナがあるかどうか、ですね。
―― 河野さんはどうでしょうか。
河野:西川龍馬選手が今年も楽しみですね。3番に定着しそうな勢いですし、天才的なバッティングを見せてほしいです。あとは、1番にピレラ選手を置いているというのが、ちょっと意外というか、攻めているなと思いました。
―― 「1番」というと、里崎さんが挙げられた田中選手のイメージも強かったですが。
里崎:天秤にかけた時に、田中広輔の信用度がまだないということなんでしょうね。
―― 西川選手はどうですか?
里崎:この2年いい感じで来ているので、普通に主力として見ていいと思いますね。とにかく、鈴木誠也の前にどれだけランナーを置いていけるか、というところが勝負です。
▼ 中日ドラゴンズ
―― 中日は与田剛監督2年目のシーズンになります。里崎さんは中日を高く評価していますよね。
里崎:中日の評価が高いというよりも、巨人も含めてセ・リーグに絶対的なチームがいないということですね。総合的に見て、中日に一発の可能性があるんじゃないかな、という。
―― 河野さんの注目選手は?
河野:昨年からレギュラーの座を掴みつつある阿部寿樹選手が、今年も良いスタートを切っているので楽しみですね。あとは、6月21日の試合で好投した梅津晃大投手。すごいボールを投げていたので、引き続き注目したいと思います
―― 野手陣で言うと、徐々に確固たるレギュラーが増えてきましたよね。
里崎:昨年もチーム打率は1位でしたし、そこに今年はソイロ・アルモンテも帰って来てますから、去年よりもさらに上積みは期待できますよね。
―― 投手陣は河野さんが挙げられた梅津投手も含め、これから地位を築くぞ!という立場の選手が多いですかね。
里崎:そうですね。梅津もそうですし、山本拓実や小笠原慎之介、楽しみな存在はいるので、その部分も伸びしろですよね。
―― 投打ともに、ハマった時の一発、で魅力的なのが中日と。
里崎:最近で言うと、カープの3連覇の1年目、最初の優勝って、カープのOBは挙げていた人もいたかもしれないけど、多くは優勝までは予想していなかったでしょ。今年の中日は、まさにそんな雰囲気なのかなと。
▼ 東京ヤクルトスワローズ
―― セ・リーグのラストはヤクルトです。高津新監督が就任しましたが、やはりカギは投手陣でしょうか。
里崎:ヤクルトは今年じゃないですね。2024年くらいに強くなるんじゃないですか。
河野:長い目で!(笑)
里崎:バレンティンも抜けて、今のチームではないことは明確ですよね。その代わり、若手は投手も野手も良い選手がたくさんいるので、彼らが経験を積んでいって、それが2024年くらいになったら面白いんじゃないかなと思ってます。
―― 河野さんの注目選手は?
河野:ずっと好きな選手なのですが、今年は坂口智隆選手の復活に期待しています。昨年は苦しみましたけど、今年は状態も良さそうなので、またタイトル争いに顔を出したりしてくれたら最高ですね。
―― ルーキーではドラ1の奥川投手が注目を集めていますね。
里崎:1試合くらいは投げるかも分からないですけど、ローテーションに入って投げることはないでしょうね。無理してケガをされるのが一番良くないので、過度な期待はしないで長い目で見た方が。
―― それこそ、里崎さんの「2024年構想」の時にはエースとして?
里崎:そうですね。3~4年後にローテーションの柱として回れるようになればいいですよね。
「結局、好みによる」
―― では、最後に里崎さんの“順位予想”を教えてください。
1位 中日
2位 巨人
3位 広島
4位 阪神
5位 DeNA
6位 ヤクルト
河野:DeNAの下位予想は珍しい気がしますね。
里崎:結局、順位予想っていうのはそのチームだったり、監督が持つ野球観の好みなんですよ。天秤にかけた時にどっちを取るかとなったら、チーム作りが好きな方を信じて、そうでない方は信用できなくなる。そんなもんですよね。
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―― 今年はしばらく無観客での開催となりそうですが、選手も戸惑いがあったようですね。
里崎:試合に向けてテンションを上げていくのは難しいと思います。でも、いざ試合に入ってしまえば一緒ですよね。だって、大げさに言ったら、プロに入るまでは観客がいる環境の方が珍しかったわけで。なので、ルーキーは特に影響がない子が多いかもしれませんよね。あとは、観客という存在によってプレッシャーを感じていた選手も中にはいるかも分からない。外的圧力から解き放たれて、いきなりブレイクする選手というのも、もしかしたら出てくるかもしれませんよ。
―― こういった情勢になって、野球に限らずスポーツ中継の新たな楽しみ方も増えそうです。
里崎:そういう意味では、今年は大きなビジネスチャンスでもありますよね。球場に入れないなら、中継を見るしかない。これは『DAZN for docomo』など、“見せる”側のメディアにとっては大きなチャンスであり、勝負どころだと思います。他所に勝っていかなければ生き残れないし、そのためには独自のものを出していかないと、お客さんからは選ばれない。すべての面において、コロナがあったことによって新しいモデルがどんどん出てくる、スポーツの未来に向けてのチャンスでもあるのかなと。
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里崎さんと河野さんによる『プロ野球・12球団展望』、セ・リーグ編はここまで。
つづきは『パ・リーグ編』で!
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