ロッテ・種市篤暉[撮影者=岩下雄太]※写真は2020年

◆ 6回のピンチも抑えた!

 「うちのエース格ですから。なんとかあの回をしのいで欲しいという思いはありました」(井口資仁監督)

 ロッテの先発・種市篤暉は、5回を投げ終えた時点で球数は106。6-2の6回は一死走者なしからスパンジェンバーグに二塁打、続く川越誠司に四球を与えた。この時点で118球を投げていたが、ベンチの井口監督は種市を続投させた。種市は山野辺翔を145キロのサードゴロで二死としたが、3回に本塁打を浴びた鈴木将平にセンター前に弾き返され失点した。

 なお一、三塁とピンチは続いたが、ここでもベンチは動かず種市に託した。種市は源田壮亮を2ボール2ストライクからこの日130球目となる142キロの渾身のストレートで空振り三振を仕留めピンチを脱した。井口監督は「最後、タネ(種市)もかなり振り絞って投げていた。あそこをしっかりと抑えてくれて良かったと思います」と評価した。

 ピンチの場面でリリーフに託すことなく、続投という決断を下した井口監督、その期待に応え抑えきった種市。嬉しい今季初勝利となった。このピンチを乗り越えた経験は将来、必ず活きる時がくるはずだ。

◆ 10奪三振中8個がストレート

 6回のピンチに源田をストレートで空振り三振に仕留めたが、この日は10奪三振のうち8個がストレートでの三振だった。種市はストレートで三振を奪いたいという思いを強く持っており、ストレートで多く三振を奪えたのは本人も納得しているのではないだろうかーー。

 ただ6月27日のオリックス戦、7月4日の楽天戦の種市の投球を見ていて、ストレートでファウルを奪えているが、追い込んでから空振りが取れない印象を受けた。8奪三振をマークした6月27日のオリックス戦は、追い込んでからフォークを投げていたことも関係しているだろうが、ストレートの三振は1個で、ストレートで空振りを奪った数も4球だった。

 「僕的には伸びながらシュートするイメージだったので、2イニング目、3イニング目シュートしているなと頭にあった。気持ち左バッターのアウトコースは中に入れるイメージで投げていました」。

 「3回に失点してそこから切り替えて、どんどんまっすぐで押すピッチングにしようと話をしていたので、カウントボールはできるだけ腕を振って投げました」。

 この日は4回、スパンジェンバーグを144キロのストレートで空振り三振、川越を144キロのストレートで見逃し三振、山野辺に二塁打を打たれたが、前の打席本塁打を打たれた鈴木を143キロのストレートで空振り三振と、3つのアウトを全て三振で奪ってみせた。4回以降は、6つ三振を奪ったが、5つの三振がストレートでそのうち4つが空振り三振だった。

◆ 奪三振リーグトップに浮上

 また試合前までリーグ12位の15奪三振だったがこの日、10奪三振で25奪三振となり、24奪三振の則本昂大(楽天)を抜いて、リーグトップに浮上した。

 昨年種市と同学年の山本由伸投手(オリックス)が最優秀防御率に輝き、今年1月6日の取材で何か獲りたいタイトルがあるか聞いてみると、「僕がいけるとしたら奪三振しかないと思っている」と語った。

 楽天戦は2奪三振だったが、しっかりと三振を積み重ねている。まだシーズンが始まったばかりで、個人タイトルの話を出す時期ではないが、ワクワクするストレート、落差のあるフォーク、今年はあまり投げていないが叩きつけのスライダーで、パの強打者たちから三振の山を築き、シーズン終盤までタイトル争いの中心にいて欲しい。そして、数多くの勝利をチームに導いて欲しい。現状に満足することなく、日々課題を持って練習に取り組む種市ならきっとできるはずだ。

文=岩下雄太

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この記事を書いたのは

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