王者・ヤンキースは今年も強い…?

◆ シーズンプレビュー【AL東地区 編】

 新型コロナウイルス感染拡大の影響により、開幕を見合わせていたメジャーリーグの2020年シーズン。本来の予定から遅れること約4カ月、いよいよ現地時間7月23日(日本時間24日)に開幕が決定。異例の“60試合制シーズン”が、ついに始まる。

 そこで今回から、新シーズンの見どころや注目ポイントを地区ごとに紹介。ここでは、アメリカン・リーグの東地区を取り上げる。

 シーズン展望の前に、まずは昨年の順位をおさらいしておこう。

【2019・AL東地区順位表】
1位 ヤンキース(103勝59敗)
2位 レイズ(96勝66敗)
3位 レッドソックス(84勝78敗)
4位 ブルージェイズ(67勝95敗)
5位 オリオールズ(54勝108敗)

◆ 日本人所属のヤンキースとレイズは…?

▼ ニューヨーク・ヤンキース

 2018年の100勝から、昨季は103勝に成績を伸ばしたヤンキース。7年ぶりに地区制覇を飾り、ようやく強いヤンキースが戻ってきた。

 打線は今季も強打者がそろった。開幕が大幅に遅れたことで、アーロン・ジャッジとジャンカルロ・スタントンの2人が揃ってシーズン開始に間に合ったのは大きなプラスとなりそうだ。

 投手陣は、FAで獲得したゲリット・コールへの期待が大きい。アストロズで20勝をマークした昨季レベルの活躍ができれば、チームは11年ぶりの世界一に近づくだろう。ローテーション2番手候補の田中将大は、メジャーデビューから6年連続で2ケタ勝利を記録。昨季4.45だった防御率だが、今季は3点台には抑えたい。

▼ タンパベイ・レイズ

 2016年の68勝から「80」→「90」→「96」と着実に勝利数を増やし、成長途上のレイズ。若手を中心に打倒ヤンキースを目指す。

 打線では、オースティン・メドーズが2年目の昨季33本塁打とブレークした。春先のオープン戦では結果を残せなかったが、新加入・筒香嘉智の奮起にも期待したい。

 投手陣はブレーク・スネルが2018年の21勝から、昨季は6勝に大きく勝ち星を減らした。それでも、昨季16勝のチャーリー・モートンとの先発1・2番手は、ヤンキースのそれに匹敵する力を秘める。オープナーなどのクリエーティブな戦略を用いることで知られるレイズだけに、今季も他チームを驚かせるような秘策を打ち出してくるのだろうか。

▼ ボストン・レッドソックス

 地区4連覇を狙った昨季だったが、終わってみれば宿敵・ヤンキースから19ゲーム離された3位に終わったレッドソックス。悔しさをバネに逆襲を期す。

 打線はJ.D.マルティネスにラファエル・ディバース、ザンダー・ボガーツの3人が3割・30本・100打点をマーク。ムーキー・ベッツの移籍はあったが、それほど大きな得点力ダウンには至らないだろう。

 投手陣はクリス・セールが春にトミー・ジョン手術を受けたため、復帰は早くて2021年夏になる。セールが抜けた穴は大きく、先発陣で計算できる投手というと、現状ではエース候補のエデュアルド・ロドリゲスだけ。若手数選手の成長がなければ、投壊は免れないだろう。

◆ ブルージェイズには山口俊が加入

▼ トロント・ブルージェイズ

 地区優勝を果たした2015年の93勝から4年連続で勝利数を減らし、昨季は67勝に終わったブルージェイズ。今季はこれ以上減らすことはないだろう。

 その根拠が、積極的な若手の起用にある。昨季は新人王の期待もあったウラジーミル・ゲレロJr.を筆頭に、キャバン・ビジオやボ・ビシェットなどの2世選手が台頭。今季そろってブレークする可能性もある。

 投手陣は、昨季ドジャースで14勝を挙げた柳賢振の獲得が大きい。7勝以上挙げた投手が皆無だった昨季に比べると、軸になる投手が加わったことは大きなプラスになるだろう。他にも、昨季アスレチックスとレッズで合計10勝したタナー・ロアークが好調時のパフォーマンスを発揮できれば、勝率5割も夢ではない。

▼ ボルチモア・オリオールズ

 昨季はヤンキースに49ゲーム差をつけられ、最下位に終わったオリオールズ。チーム再建の道のりは険しい。

 打線は、昨季自己最多となる35本塁打を放ったトレイ・マンチニが希望の星。しかし、オフにはマンチニに次ぐ活躍を見せたジョナサン・ビラー(24本塁打・40盗塁)をトレードで放出。得点力ダウンは免れそうにない。

 投手陣も、昨季のチーム防御率は両リーグワーストの5.59。エースは昨季12勝11敗、防御率3.60という成績を残したジョン・ミーンズ。新人王投票では、アストロズのヨルダン・アルバレスに次ぐ2位だった。最下位を免れるには、昨季5勝に終わったアレックス・コブの巻き返しは絶対条件だろう。

【まとめ】

 この地区は、今年もヤンキースの独走が濃厚。世代交代を図るレイズとブルージェイズも、開幕ダッシュに成功すれば、優勝を争える戦力になりつつある。

 一方、レッドソックスは大幅な戦力ダウンが必至。ライバル・ヤンキースとの戦力差は開く一方だ。

文=八木遊(やぎ・ゆう)

【八木遊・プロフィール】
1976年、和歌山県出身。大学卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。日本にファンタジーベースボールを流行らせたいという構想を持ち続けている。

この記事を書いたのは

八木遊

1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。

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