ニュース 2020.07.17. 23:00

43歳で決勝アーチ 2軍戦にも志願する阪神・福留の原動力

無断転載禁止
【プロ野球阪神対ヤクルト】8回、2点本塁打を放つ阪神・福留孝介=2020年7月16日 甲子園球場 写真提供:産経新聞社
話題のアスリートの隠された物語を探る「スポーツアナザーストーリー」。今回は、7月16日のヤクルト戦で決勝ホームランを打った球界最年長、阪神・福留孝介選手にまつわるエピソードを取り上げる。

「打った瞬間、届くと思った」

16日、甲子園球場で行われた阪神-ヤクルト戦。試合を決めたのは、日本球界最年長の43歳・福留孝介の一発でした。この試合、福留は2点ビハインドの6回、2死一・二塁のチャンスに代打で登場。ヤクルト2番手・近藤から、ライトオーバーの2点同点タイムリー二塁打を放ちました。福留にとっては、これが今季初打点でもありました。

そのままセンターの守備に入った福留。阪神は8回、ヤクルトに勝ち越しを許しますが、サンズのソロアーチで再び同点に追い付くと、梅野がヒットで続き、1死一塁で福留に2打席目が回って来ました。福留は、ヤクルト4番手・清水の初球、145キロの真っ直ぐをフルスイングで振り抜くと、打球はバックスクリーン左に飛び込む貴重な決勝2ランに!

これが待望の今季初ホームラン。43歳での一発は、阪神では金本知憲・前監督の44歳に次ぐ年長記録で、しかもこのアーチで、福留は日米通算2400本安打を達成しました。ですが、彼にとっては個人記録など二の次。試合後、お立ち台でこうコメントしました。

「走者を還すことができて、よかったです」「ファンの方々の目の前で野球ができることを、とてもありがたく思っています」

……この完璧なコメントはどうでしょう。この福留の活躍で逆転勝ちした阪神は、4カード連続勝ち越しで最下位を脱出。矢野監督も「ホンマに孝介のお陰」と敬礼したほどです。

メジャー時代も含め、今年(2020年)でプロ22年目の福留。1977年生まれで、4月26日に43歳の誕生日を迎えたばかりですが、同い年の選手はみな引退。チーム内で年が近い選手というと、現在41歳の能見(1979年5月28日生まれ)、今月40歳を迎える藤川(1980年7月21日生まれ)がいますが、いまなおこうしてチームを支える活躍ができるのは、本当に頭が下がります。

米国時代、シカゴ・カブスでプレーしていた福留ですが、カブスには「ブリーチャー・ネーション」という専門のメディアがあり、OBの動向もフォローしています。16日の試合後、公式ツイッター(@BleacherNation)が、ホームランシーンの映像付きで、こんなツイートをアップしました。

この報せには、カブスファンも驚いたようで、「まだプレーしてたの? 信じられない!」「彼のことは、いまも忘れないよ」といった反響が多数寄せられています。

2011年のシーズン途中に、福留がカブスを去って9年が経ちますが、いまだに覚えているのは2008年、メジャーデビュー戦となった開幕戦で、9回、エリック・ガニエから打った起死回生の同点3ランです。

福留という選手は、ここぞという場面でチームを助けてくれる……PL学園でも、中日でも、日本代表でも、カブスでも、阪神でも、常に「フォア・ザ・チーム」の意識は変わりません。だからこそ彼は、ファンの記憶に残っているのです。

福留は今シーズン、開幕こそスタメンに名を連ねましたが、しばらく不振が続き、スタメンを外されることも増えました。新外国人の加入や、若手の台頭もあり、「いつまでも福留に頼っていてはいけない」という声も、当然耳に入っています。

しかし、そこはあくまで競争。若手にアドバイスはしますが、福留自身は常にレギュラーでの出場を目指していますし、「若手に譲る気はさらさらない」と公言しています。レギュラーになりたければ、自分の実力でつかめ。それがプロだろう……そう背中で語る福留の存在は、1軍にいるだけで、若手たちの手本になるのです。

驚いたのは、福留が大活躍をした翌日・17日の2軍戦にスタメンで出場したことです。福留は今シーズン、昼に2軍の試合で調整してから、夜に1軍の試合に出る、いわゆる「親子ゲーム」を実行しています。普通、これは1軍半の若手選手がやることで、43歳で親子ゲーム出場は前代未聞のこと。ナイターの疲れが残っていないか心配ですが、まだ借金を抱えるチームの状況を考えれば、それどころではないのでしょう。

その姿を見て、阪神の若手たちも「親子ゲーム」を志願。16日に1軍ベンチ入りしていた江越、北條、高山、上本たちも、福留と並んでスタメンに名を連ねました(ほとんど1軍ではないか、という声も……)。

変則日程のため開幕からロードが続いたこともあり、いきなり大きな借金を抱えた阪神ですが、福留が目指すのは阪神移籍後、まだ体験していない「優勝」です。5割も見えて来たいま、福留効果で虎が勢いを取り戻せば、セ・リーグはさらに面白くなりそうです。

【PR】阪神タイガースを観戦するなら「DAZN Baseball」

球団史上初のリーグ連覇を狙う阪神。近本光司ら充実の野手陣と、期待の左腕、門別啓人や新加入のゲラなど投手陣にも戦力に厚みが加わり死角はない。

「DAZN Baseball」とは、月額2,300円(税込)でDAZNのプロ野球コンテンツをすべて楽しめるプランです(月々払いの年間プランのみ)。

プロ野球だけを楽しみたい方は、月額4,200円(税込)のDAZN Standard​よりも1,900円お得に視聴できます。

POINT

ペナントシリーズ、交流戦、CSまで余さず堪能できる!

② オフシーズンもドキュメンタリーやバズリプレイなどコンテンツが充実!

毎月2,300円でライブ配信・見逃し配信・ハイライトまで視聴可能!

【PR】「DMM×DAZNホーダイ」でプロ野球を観よう!

「DMM×DAZNホーダイ」とは、DMMプレミアムとDAZN Standardをセットで利用できるプラン。

単体契約ならDMMプレミアム月額550円(税込)、DAZN Standard月額4,200円(税込)のところ、本プランなら月額3,480円(税込)だからとってもお得です。

POINT

① 「DMM×DAZNホーダイ」なら単体契約より月額1,270円(税込)も安い!

② DAZNだけの契約と比較しても月額720円(税込)お得に楽しめる!

③ 新規入会月から最大3カ月間、「DMMポイント」を550ポイント付与!

ポスト シェア 送る

もっと読む

  • ショウアップナイター
  • ベースボールキング
FM