ニュース 2020.07.23. 11:09

今年もこの中から新人王が?注目の「高卒2年目」スター候補たち

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オリックス・太田椋 (C) Kyodo News

“令和の怪童”につづけ


 昨季セ・リーグの新人王に輝いた村上宗隆。高卒2年目にしてレギュラーポジションを手中に収め、チーム唯一の全143試合に出場。36本塁打・96打点の大暴れで、生涯一度きりのタイトルを獲得した。

 大きな飛躍を経て迎えた今季も、その進化は止まらない。ここまで27試合に出場して打率は.380。4本の本塁打を放ち、打点はリーグトップの31。得点圏打率は驚異の.500と、凄まじい勝負強さを発揮している。


 そんな村上に続けとばかりに、今年も「高卒2年目」の楽しみな選手がブレイクの兆しを見せている。

 直近で言えば、オリックスの太田椋がその一人。奈良の天理高から2018年のドラフト1位で入団した逸材は、昨季はシーズン開幕直前の骨折などもあって一軍出場は6試合のみに留まったものの、ファームでは64試合の出場で6本塁打とパンチ力をアピール。実戦経験を積んだ。

 今季は開幕一軍こそ逃したものの、7月16日に一軍へ昇格。即スタメン起用に応えるプロ初本塁打を放つと、翌日にも2試合連続となる一発。開幕から固定できなかった三塁のレギュラー候補として、頭角を現している。


ジェームスは無念の離脱…


 思い返して見ると、太田が指名された2018年のドラフト会議では、大阪桐蔭の根尾昂(中日1位)と藤原恭大(ロッテ1位)、報徳学園の小園海斗(広島1位)や、金足農の吉田輝星(日本ハム1位)といった、甲子園を沸かせた選手たちが目玉だった。

 しかし、彼らがファームで経験を積んでいる中、太田よりも先に一軍でのチャンスを掴んだ選手がいた。日本ハムの野村佑希である。

 埼玉の強豪・花咲徳栄から2018年のドラフト2位で入団した右の大砲候補。この選手も1年目はファームで75試合に出場するなど多くの経験を積み、今年は「8番・三塁」で開幕スタメン入り。念願の一軍デビューを果たす。

 すると、6月25日の楽天戦で3安打の固め打ちを見せると、7月2日のソフトバンク戦ではプロ初本塁打を含む2度目の猛打賞を記録。試合を決めるサヨナラ打を放つなど、三塁の定位置を掴みかけていた。

 ところが、7月7日のオリックス戦で守備中に負傷。「右第5指基節骨の骨折」と診断されて手術を受けたため、現在は戦列を離れている。

 全治3カ月ということで、シーズン終盤に間に合うかどうかというところ。今は一日も早い復帰が待たれる。


球団史上初・開幕から3戦3勝


 投手では、巨人の戸郷翔征が奮闘中。聖心ウルスラ学園高からドラフト6位での加入ながら、ルーキーイヤーにデビューを果たし、シーズン終盤にはプロ初勝利も挙げている逸材。今季は開幕からローテーションの一員に名を連ねると、開幕から3戦3勝という快挙を達成した。

 巨人の高卒2年目以内の投手が開幕から3連勝するのは、1987年の桑田真澄以来で実に33年ぶりのことだという。それも、その桑田は3試合目に勝敗はついておらず、「開幕から3戦3勝」は球団史上初の偉業。原辰徳監督も、2勝目を挙げた試合後には「見事。素晴らしい投球をした」と絶賛したほどだ。

 22日の中日戦では初黒星を喫したものの、白星を稼ぐことができる先発投手が有利になりがちな新人王レース。2年続けて「高卒2年目」から新人王が誕生するのか、今後も戸郷の投球から目が離せない。
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