8試合連続無失点
「身体の状態が良いことが、今の調子につながっているのかなと思います」。
ロッテの唐川侑己は開幕ファームスタートだったが、7月29日に今季初昇格を果たすと、ここまで8試合に登板して、0勝0敗3ホールド、防御率0.00の成績を残している。
16日の日本ハム戦では5-5の7回から登板し、先頭の松本剛に中安、二死後、大田泰示に四球を与え、一、二塁とピンチを招いたが、渡邉諒を131キロの変化球で三ゴロに仕留めた。これで唐川は開幕から続く連続無失点登板が8試合に伸びた。
新球チェンジアップ
リリーフに配置転換となった18年夏場以降はカットボール、スライダー、スプリット、カーブを中心に投げていたが、2月の春季キャンプでは「いろいろやりながらという感じです。こればっかりは実際に投げてみないとわからない。実戦で投げる機会があれば試していきたいです」とチェンジアップも投げ込んでいた。
そのチェンジアップで、今季は数多く打者を封じている。今季初めて1-0の7回、勝ち試合で登板した8月9日のオリックス戦では、モヤをカットボールで、簡単に2球で追い込んだ後、最後はチェンジアップで空振り三振。続く宗佑磨をカットボール、チェンジアップを交ぜながら、最後は外角のチェンジアップで空振り三振を奪ったということもあった。
唐川はチェンジアップについて「今年から投げ始めたボールですが、ここまで感じは悪くないと思います」と手応えを掴む。
力強いストレート
チェンジアップとともに、春季キャンプで投げ込んでいたストレートも有効に使っている。
昨年までは「1イニングだけなので、自分の自信のあるボールを投げている感じです」とカットボールを主体にしてきたが、今年の春季キャンプではストレートとカットボールの両方を投げていくことを明言していた。
14日の日本ハム戦では、横尾俊建に対しカットボール、カーブで追い込み、「横尾選手はカットボールを意識していたと思うので、結果的に見逃ししたのかなと思います」と、見逃し三振に仕留めた144キロの外角のストレートは素晴らしいボールだった。
セットアッパーとして期待されたジャクソンが退団し、開幕直後は勝ち試合の7回を担当していたハーマンが8回を投げていることもあり、唐川が7回を任される試合も増えてきた。昨季は開幕を勝ちパターンの8回でスタートしたが、最後まで務めることができなかった。安定した投球を披露し続け、“勝ち試合”では必要不可欠な存在になってほしい。
文=岩下雄太