今季初昇格
ロッテの三木亮が23日、今季初となる一軍昇格を果たした。
本日の試合前練習では、室内で打撃練習を行なったあと、藤岡裕大、安田尚憲とともにグローブを持ってグラウンド入り。グラウンドで和田康士朗とキャッチボールしたあと、ショートのポジションに入り、藤岡、茶谷と一緒に鳥越裕介ヘッド兼内野守備走塁コーチが打つノックを受けた。
ノック中に「1本目」、「2本目」、「ゲッツーいきます!」と大きな声で盛り上げ、同じくサードでノックを受けていた安田も、三木の声に乗せられ、いつも以上に声を出しているように見えた。
なおこの日のグラウンドで行っていた試合前練習では、ノックを受けていたのはショートのポジションのみだった。
超ユーティリティープレーヤー
昨季は内野の全ポジションを守るなど、試合終盤の守備固めでは欠かせない存在感を見せた三木は、昨年10月25日に都内の病院で『右膝蓋大腿関節軟骨損傷』と診断され、『鏡視下右膝軟骨修復術および右膝ガングリオン切除術』を受けた。6月の練習試合で一軍に昇格した時期もあったが、春季キャンプからファームで過ごす時間が長かった。
ファームでは一軍昇格を目指し、三木らしい“しぶい”働きを見せていた。7月2日のヤクルトとの二軍戦では、0-0の4回無死一、二塁の場面で、きっちりと初球で送りバントを決め走者を進め、その後ワイルドピッチの間に三塁走者が生還し得点に繋げた。同試合ではやや制球に苦しんでいた若手投手に対し、マウンドへ行き一声かける場面もあった。
もちろん守備でもファームの公式戦すでに一塁で4試合、二塁で7試合、三塁、1試合、遊撃で25試合と内野の全てのポジションで出場している。
レギュラーが固定されている現状、三木が出場するとなれば、これまでと同じように途中出場がメインになるだろう。過去の取材で途中から出場する難しさについて「試合の展開にもよりますし、流れもあります。勝っていたりしていると、いい流れで行っている中で入っていくので、流れを切らさないように」と明かし、「本当にいつ出番がくるかわからない状況。いつ出されても後悔のないような準備の仕方をしている」と最高のプレーを披露するため、入念な準備を行ってきた。この日の練習を見る限り、その姿勢は今年も変わっていないように見えた。
内野の全ポジションが守れ、打っても右打ち、バントと小技もできる。昨季は、代打で立った打席数は3だったが、4月28日の楽天戦では、9-8の8回無死二塁の場面でバルガスの代打で登場すると、相手もバントとわかりきった状況できっちりと初球でバントを決め、清田の適時打に繋げた。守備固めだけでなく、走者を進めたいという場面でピンチバンターとして起用することも可能だろう。
自身の右膝の故障や新加入の鳥谷敬、西巻賢二、福田光輝など複数のポジションを守るライバルが増えたことで、開幕はファームスタートだった。ようやく一軍の舞台に帰ってきた三木。今年も試合終盤で安定した守備、そしてスタメン出場したときには走者を進める打撃、バント、右打ちなど自身の役割を全うする姿を数多く披露して欲しい。
文=岩下雄太