2020.08.23 13:00 | ||||
オリックス・バファローズ | 6 | 終了 | 5 | 埼玉西武ライオンズ |
京セラD大阪 |
昇格組の中嶋チルドレンが好機演出
オリックスが中嶋聡監督代行の下、西武相手に3連勝を飾り、この6連戦を3勝3敗の五分で終えた。
オリックスは初回、試合前に「今月はまだホームランがゼロなので…」と漏らしていた吉田正尚がレフトスタンドへ第8号ソロを叩き込み先制に成功。先制点をもらった先発のアルバースは、毎回走者を出しながら粘りのピッチングを披露した。それでも4回、山川穂高に2点適時二塁打で打たれて逆転を許すと、続く7回には栗山巧に第7号ソロを右翼席まで運ばれ、6回途中8安打3失点で降板した。
アルバースは「調子自体は悪くなかったと思うけど、厳しい投球になってしまった。6回のホームランの失投は悔しいし、なんとか粘り強く投げたかった」と投球内容を悔やんだが、その裏に中嶋聡監督代行が「最強の中川」と期待を寄せて4番に置いている中川圭太と安達了一の連打などで二死二三塁の好機を作り、中嶋監督代行が中川と共に昇格させた杉本裕太郎が2点適時打を放った。
杉本は「(中川)圭太が打ったので、オレも打ってやろうと思って打席に入りました。僕も圭太もファームで頑張ってきたので、2人で点に絡むことが出来てめちゃくちゃうれしいです!」と笑顔。ファームで苦楽を共にしてきた辻竜太郎打撃コーチもベンチから飛び出す勢いで喜んでいた。
アルバースの後を澤田圭佑、富山凌雅、齋藤綱記、吉田凌が無失点で繋ぐと、8回裏に西武セットアッパーのギャレットから、ジョーンズが3戦連発となる第9号ソロで勝ち越すと、安達、T-岡田、伏見寅威の長打で一気に3得点。ジョーンズも「カットボールをしっかりと捉えることができた!アグレッシブにスイングしたことがいい結果につながったね!」と興奮気味に振り返っていた。
最終回、中嶋監督代行は、連投中のディクソンではなく、この日昇格させた昨年のファームセーブ王・漆原大晟をプロ初登板させるサプライズ采配。漆原は森友哉を四球で塁に出し、外崎修汰と栗山に適時打を許して1点差に迫られるが、最後は中村剛也の打球をセカンドの大城滉二が好捕。吉田凌は3球で勝利投手に、漆原はプロ初登板初セーブを記録し、チームは3連勝を飾った。
やるかやられるか…覚悟の敵地3連戦へ
試合後、中嶋監督代行は疲労困憊の表情を浮かべながら「(漆原は)最後、9回は行こうと思っていた。祈ってましたけど、大丈夫だと思ってました。緊張してて、ちょっと隙が出たというか。本来は上ずるんじゃなく、腕振って思い切って行くタイプなんですけどね。(冨山の登板は?)2人ともいいピッチングを続けていたのを知っていたので自信を持って送り込みました」と、二軍監督として2人を近くで見てきたことから、自信はあったようだ。
3日連続弾のジョーンズに関しては「凄く雰囲気があったので、やってくれると思いましたし、その次の点を安達、Tで取ってくれたので嬉しかった」と評価。また、中川については「1本出て良かった。次はタイムリーですね。正尚が歩かされてタイムリーが出たら、本当の中川だと思います」とホッとした様子を見せるとともに、さらなる期待を寄せていた。
「3連勝なんですけど、ホントにヒヤヒヤな感じでいますんで、次は選手たちが凄く楽な展開にしてくれるんじゃないかと思います!(25日からのソフトバンク戦には)挑んでいきたい。これで差が出るのか?イケると確信出来るのか?の差が出ると思う」
中嶋監督代行はソフトバンク相手に「弾き返される」覚悟を持ちながら、挑むことにより、選手たちに手応えを感じてもらいたい気持ちを明らかにしている。借金はまだ「14」も残っており、3連勝では到底満足するわけにはいかない。
文=どら増田