「2番・大和」が名誉挽回
DeNAは25日、本拠地・横浜スタジアムで広島と対戦。今シーズン初の「2番」に座った大和が、最後に大仕事をやってのけた。チームはサヨナラ勝ちを収め、連敗も「3」でストップした。
連敗脱出を目指すベイスターズは2回、宮﨑敏郎のホームランなどで3点を先取し、1点差に追い上げられた5回にはネフタリ・ソトの犠飛で突き放すなど、2試合連続で完全に封じられていた打線が奮起。試合を優位に進めていたが、7回のマウンドに上がった山﨑康晃の乱調でピンチを招くと、代わったエドウィン・エスコバーも勢いを止められず同点に追いつかれた。
その後、9回に登板した三嶋一輝が一死からヒットを許すも、送りバントを俊敏に処理して併殺打に仕留めて流れを引き寄せると、二死一二塁のチャンスに大和が左中間にサヨナラタイムリーを放ち、劇的な幕切れを演出。6連戦の大事な初戦を白星で飾った。
殊勲のサヨナラ打を放った大和は、1番・梶谷隆幸が1回と3回にヒットで出塁しながら共に併殺打に倒れ、3打席目と4打席目は空振り三振と、精彩を欠いていたこともあり、お立ち台では「とりあえずホッとしています。今日は何をやっても全然ダメだったので、腹括って初球からいきました」と、安堵の表情を見せた。
サヨナラの場面は、目前で梶谷が申告敬遠を受けたが、「心の準備はできていた」と冷静さを保ち、「前の打席も打てなかったけど、気持ちを切り替えて最後の打席に何とかしようと」と決意。球種は意識せずにファーストストライクを狙って迷いなく振り抜いた結果、「打った瞬間に抜ける」と確信する見事な打球で左中間を割った。
ラミレス監督「素晴らしい仕事をした」
ラミレス監督も「ベリーハッピー!素晴らしい仕事をした」と大和を称え、「2番に大和を使った理由は必ずあると信じていた。最後に回ってきたのがその理由で、その通りの結果を出してくれて非常に良かった」と満足気な表情を見せた。あすも「これで行こうと思う」と、4打数4安打と活躍した梶谷との1-2番コンビの継続を示唆した。
左右のエース、今永昇太と平良拳太郎を欠く厳しいローテーションの現状に、2年目右腕・上茶谷大河がファームで51球を投じた後の中4日でマウンドに上がり、5回2失点と上々のピッチングを披露した。
ナゴヤドームでは沈黙していた梶谷隆幸と宮崎敏郎も上向き、打線は11安打をマークした。先手を奪いながら終盤に追いつかれる嫌な流れだったが、最後はスカッとしたサヨナラ勝ち。この流れに乗って勝ち星を積み重ねていけるのか楽しみだ。
取材・文=萩原孝弘(はぎわら・たかひろ)