4年目の初栄冠
8月度「大樹月間MVP賞」の打者部門をDeNAの佐野恵太選手が初受賞。「4番」と「主将」の重責を担う男が、4年目にして初めての勲章を手にした。
佐野は8月、全26試合に4番としてスタメン出場し、打率.343、ホームラン6本、22打点という堂々たる成績を残した。ケガのタイラー・オースティン、体調不良のネフタリ・ソト、スランプのホセ・ロペスらが次々と戦列を離れてマークも厳しくなる中、安定した打撃で打線をけん引し続け、得点圏打率は「.394」をマーク。勝負強さも際立った。
無心と振り返りの結果
開幕から好調をキープできている要因については、「1日の終わりにその日の反省をしっかりして、次の日に向けて準備をする作業が毎日できていること」とを挙げ、「試合が終わってすぐティーバッティングや素振りなど、打撃練習をしながら次の日に向けて修正したり、調子が良ければ維持できるように」と、日々反省と準備のルーチンワークを大切にしていることを明かした。
全ては「チームの勝利のために」
現状、首位打者争いでトップを走っているが、「シーズン中盤ということもあり、気にしないし、気にもならない」と受け流し、「中盤から終盤に差し掛かってくるので、しっかりと打点を稼いで、チームの勝利に貢献したいと思います」と前を見据えた。
ベイスターズの顔で、精神的支柱であった筒香嘉智が5年間務めたキャプテンの座と共に、レフトと4番も任された佐野恵太。筒香イズムでもある「チームの勝利のために」を引き継ぎ、プレッシャーを力に変えてこの先を戦い抜く。
取材・文=萩原孝弘(はぎわら・たかひろ)