2020.09.30 18:00 | ||||
横浜DeNAベイスターズ | 3 | 終了 | 5 | 東京ヤクルトスワローズ |
横浜 |
“蒼い韋駄天”に新たな栄誉
不動のトップバッターとして今季のチームをけん引する梶谷隆幸選手が30日、本拠地でのヤクルト戦で今月42本目となる安打を放ち、球団記録を塗り替えた。
前日の試合で4安打を放ち、1990年8月のジェームス・パチョレック氏、1996年5月の佐伯貴弘氏の月間41安打に並んでいた梶谷は、試合前時点で今季4打数4安打と好相性を誇るヤクルトの先発・石川雅規から6回の第3打席に二塁打を記録。「逆らわず素直に打ち返すことができました」と振り返った一打は、引き付けて逆方向へすくい上げる今年の梶谷らしいバッティングだった。
その梶谷は「とにかく1本出したかったので嬉しいです!1カ月だけではありますが、偉大な先輩の記録を超えることができ、感無量です」と喜びのコメントを残した。
試合後、ラミレス監督は梶谷について「アメージングの一言に尽きる。“これがあるから打てている”というのを見つけるのは難しい。ただひとつだけ言えるとしたら、しっかりとボールを引き付けられることで、逆方向に打てていることだと思う」と分析。さらに「得点も26で、出塁率も4割を超えている。全ての数字がハイレベルで素晴らしい。月間MVP級の働き」と、リードオフマンとしての働きも評価した。
今年は「1月から変えずにやり続ける」ことを信念に、ここまで8月10日の試合中に左踵を痛めて翌日から欠場した4試合と、7番に入った1試合以外は全てトップバッターとしてスタメン出場。打率.319はリーグ3位、盗塁も「13」でリーグ3位、長打力も健在でホームランも16本。18年、19年と41試合の出場に留まった鬱積を一気に晴らすような復活を遂げている。
誰もが認めるポテンシャルが再び見せつけている梶谷隆幸。“蒼い韋駄天”の第2章は、まだまだ始まったばかりだ。
取材・文=萩原孝弘(はぎわら・たかひろ)