◆ 今季25度目の逆転勝ち
2位・ロッテは、0-3の6回に福田秀平の第4号3ランで追いつくと、同点の7回に4番・安田尚憲が第6号3ランを放ち、西武に6-3で勝利した。
福田秀、安田の一発も素晴らしかったが、リリーフ陣も見事な働きだった。0-3の6回から登板した2番手・東妻勇輔は満塁のピンチを招きながらも、スパンジェンバーグを一ゴロ、外崎修汰を中飛に打ち取った。
その裏、福田秀平の3ランで同点に追いつくと、7回からは“勝利の方程式”の唐川侑己がマウンドへ。唐川は木村文紀を外角の142キロカットボールで空振り三振、金子侑司を左飛、源田壮亮を粘られながらも左邪飛で、危なげなくこの回を3人で終える。打線もリリーフ陣の頑張りに応えるように、安田の3ランで、この日初めてリードする。
3点リードとなった8回は、前日メヒアに本塁打を浴び、移籍後初黒星を喫した澤村が登板。澤村は二死走者なしから栗山巧に四球を与えたが、中村剛也を遊ゴロに仕留めた。
最終回は守護神・益田直也が二死一、三塁と得点圏に走者を背負ったが、源田壮亮を中飛で試合を締めた。
井口資仁監督は「しっかりと中継ぎ陣、いいリレーで勝てたと思います」とリリーフ陣をねぎらった。
◆ 開幕から先を見据えた継投策
今季はこの試合前まで、開幕から1週間で4度登板するリリーフはおらず、3連投も9月3日の西武戦から5日のソフトバンク戦にかけて3連投した益田のみ。
新型コロナウイルス感染拡大の影響でシーズン開幕が遅れるなど、投手陣の調整が難しかったことに加え、大事なシーズン終盤を見据えて、リリーフ陣を大事に起用してきた。
残り30試合となったこの日、澤村、益田が今週2度目の連投となり、チームでは今季初めて1週間に4度登板となった。
9月中旬は敗れる試合が多く、益田は1週間以上登板がないということもあったが、9月25日のソフトバンク戦以降は接戦が多く、同日のソフトバンク戦から8試合中6試合で登板。勝ち試合の8回を担当する澤村も、同じく6試合投げている。
ここへ来て登板数が増えているのは気になるところだが、開幕から1週間の登板数、連投が管理され、リーグ優勝を狙う上で1つも落とせない“勝負所”と見ているのだろう。
今季リーグトップの25度の逆転勝ちを誇るマリーンズ。序盤にリードを許しても、2番手以降のリリーフ陣が相手チームに流れを渡さず、その間に逆転し、最後は“勝ちパターン”のリリーフで逃げ切る形が多い。
残り29試合。リーグ突ッパ!するため、リリーフ陣は明日以降も懸命に腕を振っていく。
文=岩下雄太