ブレーブスの打線をけん引するアクーニャJr.

◆ 重量打線の激突

 現地時間11日(日本時間12日)には、ア・リーグ優勝決定シリーズ(ALCS)が始まった。レギュラーシーズン1位通過のレイズと、シーズンで負け越しながら、ポストシーズンでツインズとアスレチックスを撃破したアストロズが対戦。投手戦の末、レイズが2-1で先勝した。

 一方、ナ・リーグ優勝決定シリーズ(NLCS)は1日遅れて、12日(同13日)に初戦を迎える。こちらは、レギュラーシーズン1位通過のドジャースと同2位通過のブレーブスが順当に勝ち上がってきた。

 ともにポストシーズンは無傷の5連勝で勝ち上がっており、お互い初戦でその勢いを止めたくないだろう。さらにNLCSは、2013年以降の過去7年中6年で第1戦を制したチームがワールドシリーズに進出している(2018年ドジャースが唯一の例外)。第1戦は非常に重要な意味を持つ試合になりそうだ。

 今季のドジャースとブレーブスはともに重量打線が自慢。レギュラーシーズンでは、ドジャースが両リーグ最多の349得点をたたき出している。ただし、ブレーブスもそれより1点少ないだけの348得点。打撃力は互角と見ていいだろう。

◆ 異なる得点パターン

 両者が大きく異なるのが、ポストシーズンに入ってからの得点パターンだ。ドジャースは5試合で30得点を挙げているが、5試合で放った本塁打は2本だけ。二塁打は12本と多く、長打が少ないわけではない。一発に頼らず、次につなぐ攻撃でレギュラーシーズンと同様の破壊力を維持している。

 一方、5試合で24得点を挙げたブレーブスは、すでに7本塁打を放ち、ドジャースとは対照的に一発に頼る攻撃となっている。両者のこのポストシーズンにおける得点圏打率がそれを象徴。ドジャースの「.314」に対し、ブレーブスは「.195」。ブレーブスとしては、一発に加え、効果的なタイムリーも必要となるはずだ。

 両者の投手陣の様相も大きく異なる。ドジャースはレギュラーシーズンで両リーグトップの「3.02」という防御率を誇り、ポストシーズンでは「2.00」と安定感を増している。対するブレーブスは、レギュラーシーズンの防御率が「4.41(15位)」と、ほぼリーグ平均。防御率3.50の救援投手に対し、先発投手は「5.51」と安定感を欠いた。しかし、ポストシーズンでは、5試合中4試合で完封勝利を飾っている。

 ポストシーズンで盤石の戦いを見せるドジャースとブレーブス。レギュラーシーズンを43勝17敗(勝率.717)で勝ち上がり、ポストシーズンの経験も豊富なドジャースが前評判ではやはり有利か――。ブレーブスが勝つためには、勢いを止めないことが重要だろう。つまり初戦を取ることが絶対条件といえそうだ。果たしてどちらのチームがポストシーズンの連勝を「6」に伸ばすだろうか。

文=八木遊(やぎ・ゆう)

この記事を書いたのは

八木遊

1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。

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