ドラ1・鈴木に指名挨拶
ロッテは26日に行われたプロ野球ドラフト会議で、1巡目に最速155キロを誇る左腕・早川隆久(早稲田大)を抽選で外したが、同じく大学生左腕・鈴木昭汰(法政大)をヤクルトとの抽選の末、引き当てて交渉権を獲得した。
27日には法政大学野球部合宿所で、鈴木の指名挨拶が行われた。鈴木は球団を通じて「憧れのプロ野球選手になれると思うと本当に嬉しいです。法政大学の先輩の福田光輝選手がいるのも心強いですし、左ピッチャーの小島和哉選手のお話を聞いてみたいです」と喜びを口にした。
鈴木は東京六大学野球の秋季リーグ戦では、早川に次いでリーグ2位の防御率0.84をマークしている。
16年からの4年間は…
マリーンズといえば、ここ数年課題のひとつに“左投手不足”が挙げられる。成瀬善久がFAへ移籍した2015年以降、左腕全体で11勝(15年)、5勝(16年)、4勝(17年)、4勝(18年)、8勝(19年)と、16年から4年間は10勝に届かなかった。
近年のサウスポー事情といえば、リリーフの松永昂大以外は目立った左腕がいなかったシーズンも多かったが、昨年は松永だけでなく、ロングリリーフ、ワンポイントと様々な局面で登板したチェン・グァンユウをはじめ、小島和哉、中村稔弥といった大卒組が夏場以降は一軍に定着した。
【2015年】11勝
チェン・グァンユウ 5勝(先:4勝 リ:1勝)
古谷拓哉 3勝(先:3勝 リ:0勝)
藤岡貴裕 2勝(先:0勝 リ:2勝)
木村優太 1勝(先:1勝 リ:0勝)
【2016年】5勝
松永昂大 3勝(先:0勝 リ:3勝)
チェン・グァンユウ 1勝(先:1勝 リ:0勝)
藤岡貴裕 1勝(先:0勝 リ:1勝)
【2017年】4勝
チェン・グァンユウ 3勝(先:1勝 リ:2勝)
松永昂大 1勝(先:0勝 リ:1勝)
【2018年】4勝
松永昂大 2勝(先:0勝 リ:2勝)
土肥星也 2勝(先:2勝 リ:0勝)
【2019年】8勝
小島和哉 3勝(先:3勝 リ:0勝)
松永昂大 2勝(先:0勝 リ:2勝)
チェン・グァンユウ 1勝(先:0勝 リ:1勝)
土肥星也 1勝(先:1勝 リ:0勝)
中村稔弥 1勝(先:0勝 リ:1勝)
今季はここまで左腕全体で10勝
“左腕不足”解消の兆しがみえつつあったなか中で、今季は2年目の小島、開幕先発ローテーション入りを果たすと、1度も登録抹消されることなく、ローテーションを守り続け、ここまで7勝8敗、防御率3.84の成績を残す。
昨秋から“力強いストレート”を手に入れるため取り組んできた中村稔も、8月9日のオリックス戦で6回1安打無失点に抑えるなど、先発、リリーフの両方をこなし15試合に登板している。
昨季自己最多の44試合に登板したチェン・グァンユウは、27日一軍登録抹消となったが、9月以降はビハインドゲームを中心に9登板・10回2/3を投げ防御率1.69と安定した投球を見せている。
さらに、リーグ制覇に向けて先発を強化するため、中日やメジャーのオリオールズなどでプレーした実績のあるチェン・ウェインを獲得。チェン・ウェインは加入後2試合に登板し、いずれもQS(6回3自責点以内)をクリアしている。
小島、中村稔だけでなく、3年目の山本大貴も一軍で経験を積んでおり、期待の若手左腕が少しずつではあるが芽を出しつつある。そこにドラフトで指名した鈴木昭汰も加われば、“左腕王国”と呼ばれる日がそう遠くない未来に訪れそうな予感だ。
【2020年】10勝
小島和哉 7勝(先:7勝 リ:0勝)
中村稔弥 2勝(先:2勝 リ:0勝)
チェン・グァンユウ 1勝(先:0勝 リ:1勝)
▼ロッテ左腕今季成績
山本大貴 12試 0勝0敗0H 防2.63
松永昂大 5試 0勝0敗3H 防0.00
土肥星也 一軍登板なし
成田 翔 3試 0勝0敗0H 防18.00
小島和哉 18試 7勝8敗0H 防3.84
中村稔弥 15試 2勝5敗0H 防4.87
チェン・グァンユウ 19試 1勝0敗2H 防3.20
チェン・ウェイン 2試 0勝1敗0H 防2.25
永野将司 13試 0勝0敗0H 防5.40
本前郁也 10試 2勝0敗 防2.12(二軍)
文=岩下雄太