指揮官とも考えが一致
楽天の松井裕樹投手が27日、球団事務所で行われた契約更改交渉に臨み、現状維持でサインした。
2019年にセーブ王のタイトルを獲得し、迎えた今季は自身の希望もあって先発に転向。開幕ローテーションに入ったが、10試合に登板して3勝3敗と結果を残せず、シーズン終盤の10月からは後ろが不安定だったチーム事情もありリリーフへ。そのリリーフでは安定したピッチングを披露し、18試合で1勝2敗8ホールド2セーブと結果を残した。
契約交渉後の会見では、来季から再びクローザーに戻ることにも言及。「どこで投げればチームのためになるかをもう一度自分で考え、その中で監督と話をした結果」と説明し、自身の先発を「普通に考えて先発としてイニングを全然投げれていなかった。昨年までやっていたリリーフから見ても、僕の先発はチームへの負担が大きい」と振り返った。
実際、先発した10試合でクオリティスタート(6回3失点以内)は3試合のみ。あとの7試合は6回をもたずに降板する結果となっていた。リリーフでは安定したピッチングを披露したことを受け、松井も「最終盤、リリーフに入ってからは任せてもらったところをしっかり投げれていたので、後ろの方がチームにとってもいいのかなとは自分自身も思いました」と感じていたという。
松井にとっては順風満帆とは言い難いシーズンになったが、「うまくいかないことの方が多かったですけど、それに対して毎週もがいてやるのもいい経験でした」と述べ、そういった様々な経験を経て迎える来季に向けては、「また違った形で投球できるのではないかと思います」とコメント。先発として意識していた「力を抜くこと」が、出力を上げる中継ぎでのピッチングに「うまく噛み合った」と、手応えも口にした。
来季に向けては「日本一」という目標を掲げ、日本シリーズの大舞台で「最後のマウンドに、優勝のマウンドに立っていたい」と一念。そのためにも、「今年は上に3チームいるので、まずはパ・リーグで一番になれるようにやっていきたい」と、2013年以来のパ・リーグ制覇を見据えた。
▼ 松井裕樹投手の年度別主要成績
14年:27登板(防御率3.80)4勝8敗 0セーブ 3ホールド
15年:63登板(防御率0.87)3勝2敗33セーブ 12ホールド
16年:58登板(防御率3.32)1勝4敗30セーブ 10ホールド
17年:52登板(防御率1.20)3勝3敗33セーブ 5ホールド
18年:53登板(防御率3.65)5勝8敗 5セーブ 11ホールド
19年:68登板(防御率1.94)2勝8敗38セーブ 12ホールド
20年:25登板(防御率3.18)4勝5敗 2セーブ 8ホールド