V4主力が出遅れ…

　ソフトバンクは28日、PayPayドームにて監督・コーチ会議を行い、春季キャンプのメンバーを決定。工藤公康監督が会議後のオンライン取材に応じた。

　工藤監督は「トレーナーの報告も聞いて、けが人であったり手術後のリハビリという投手・野手が結構いましたので、ABというのはバランスが取れるように。キャンプの中でシート打撃や打撃投手であったり、紅白戦、対外試合だったりもあります。（ABが）同じ場所でやってるというのもありますので、バランスをとってメンバーを決めさせていただきました」とメンバー選考を総括した。

　千賀滉大と柳田悠岐の投打の柱に加え、昨季のパ・リーグ盗塁王に輝いた周東佑京もA組メンバーから漏れたが、「柳田くんはアキレス腱」「千賀くんはふくらはぎ」とコンディション不良の影響でリハビリ組となったことを説明。周東については「去年あった右肩がまだ万全ではない」と、トレーナーの判断もあってB組からのスタートになることを明かした。

　外国人選手についてはカーター・スチュワート・ジュニアが既に来日しており、キャンプ途中からチームに合流する見通しだが、リバン・モイネロ、ジュリスベル・グラシアル、アルフレド・デスパイネのキューバ勢とウラディミール・バレンティン、その他の新外国人選手については来日時期が未定とのこと。しばらくは日本人選手だけで調整を続けることになりそうだ。

小久保ヘッド主導「1日1000スイング」

　選手の入れ替えについては「積極的にやるというよりは、進み方だったり、選手たちの状態をみながらということになる」。開幕投手や一軍メンバーについても「まだそこまでイメージは湧いていない」とチーム内競争への期待を滲ませる。

　キャンプ期間中には指揮官をはじめ一軍コーチ陣もB組を視察する予定で、「Aに選ばれたイコールBにはチャンスが無いということでもない」、「誰にでもチャンスがある、ということを理解してもらって、良いキャンプにしてほしいと思います」と新戦力の台頭にも期待を寄せた。


　なお一軍野手陣については新加入の小久保裕紀ヘッドに一任するようで、「一日1000スイング」のノルマが課されることになった。今春は予て小久保ヘッドが期待を寄せるリチャードや増田珠、2年目を迎える佐藤直樹、柳町達、海野隆司ら期待の若手野手がA班に名を連ねた。

　指揮官は「ホークスはレギュラーが頑張ってるということもありますけど、選手を育成していくというところも掲げてやっている。そういう意味ではレギュラーというよりは、若い人たちに振り込んで上を目指してもらおうということも大いにあると思う」と厳しいノルマが設定された背景を説明した。


　また、今春キャンプでは初日と2日目に選手のコンディショニングを測る「スクリーニングテスト」を実施することを決定。恒例の「12分間走」は実施せず、新たな試みで選手の状態を見極める。

　工藤監督は「可動域や柔軟性、筋力を測ったり。ジャンプテストをしたりですとか、そういうのも含まれてます。ある程度の筋力や筋持久力など、キャンプに入るときのコンディショニングが数字として出るのではないか」と初日から取り組む“新メニュー”の狙いを明かす。

　「自主トレをどれだけやってきたかというのを測るテストでもあるとは思いますが、何が足りないか、というのはコンディショニングトレーナーが見て今後に生かしていきたいというのは聞いてる。球団としてそういうテストをして選手たちのコンディショニングを測りたいということ」と話した。