◆ 出場全6試合で出塁中
開幕一軍を目指すロッテの山口航輝の存在感が日に日に高まっている。
昨季はファームで本塁打(7)、打点(30)でチームトップの成績を残すも、一軍出場が叶わなかった。「勝負の年」と位置づけた3年目の今季に向けて、自主トレーニングでは体を絞り筋肉量を上げ、怪我をしない体づくりに励んできた。
3年目で初めて一軍スタートとなった春季キャンプでは、打撃練習でドラフト1位ルーキーの鈴木昭汰、山本大貴と両左腕から2本の柵越え。2月13日から始まった沖縄遠征での対外試合でも、初戦の楽天との練習試合でセンター前に安打を放った。16日の広島戦、18日の楽天戦はいずれも無安打だったが、しっかりと四球を選び出塁。
20日のDeNA戦では、一軍で実績のある左の濵口遥大が投じた140キロの速球系の球をセンター前に弾き返すと、翌21日は無死満塁の好機にDeNAの先発・上茶谷大河の初球をセンター前に2点適時打。さらに23日のオリックス戦では、昨季パ・リーグの左腕で唯一規定投球回に到達した田嶋大樹からセンターへ適時打、続く第2打席は昨季48試合に登板した山田修義からセンター前に抜ける安打、7回の第3打席では一死満塁からきっちりと犠飛を放った。
昨季はチーム全体で“左投手”に苦しんだ傾向があるなかで、右打者の山口が一軍で実績のある濵口、田嶋、山田といった左投手から“安打”という結果を残していることは、大きなアピールになっているはずだ。
◆ 守備、走塁でもアピール
春季キャンプ中には「打つだけではダメだと思いますし、守りもしっかりしないといけない」と話していた昨年11月のフェニックスリーグから本格挑戦中の一塁の守備も、23日のオリックス戦でミスはあったものの、13日の楽天戦では一、二塁間の当たりを広い守備範囲で、しっかりと処理しアウトにするなど好守備を連発。
走塁でも21日のDeNA戦の2回無死一、二塁から高部瑛斗が放ったセンターへのフライで、センター・神里のショートへの送球が乱れた隙に、二塁走者の藤岡裕大に続いて、一塁走者の山口も二塁へ進塁する好判断を見せた。
「開幕からいけるように。そのためにも練習試合、オープン戦が大事になってくる。そこでしっかり結果出して、アピールして、その先に開幕一軍があればいいなと思います」と春季キャンプ中に意気込んでいた山口。主力組が合流する前にガンガンアピールし、主力が合流してからも先発で使っていきたいと思われるような打撃、守備、走塁を披露してほしい。アピールをし続けることで、目標のひとつに掲げている開幕一軍が見えてくる。
▼ 山口の対外試合の打撃成績
6試:率.313(16-5)本0 点4
2月13日vs楽天
第1打席:三ゴロ(池田隆)
第2打席:中飛(津留崎)
第3打席:中安(引地)
第4打席:遊ゴロ(渡邊佑)
2月16日vs広島
第1打席:遊併(遠藤)
第2打席:捕邪飛(薮田)
第3打席:四球(コルニエル)
第4打席:四球(田中法)
2月18日vs楽天
第1打席:見三振(池田隆)
第2打席:四球(釜田)
第3打席:遊ゴロ(松井)
2月20日vsDeNA
第1打席:見三振(入江)
第2打席:中安(濵口)
第3打席:空三振(池谷)
第4打席:空三振(国吉)
2月21日vsDeNA
第1打席:中安(上茶谷)+2
第2打席:二失(上茶谷)
第3打席:四球(伊勢)
2月23日vsオリックス
第1打席:中安(田嶋)+1
第2打席:中安(山田)
第3打席:左犠飛(K-鈴木)+1
文=岩下雄太