ドラ1・鈴木は先発ローテ入りへアピール
ロッテの大卒のルーキーたちが、開幕一軍入りに向けてアピールを続けている。
開幕先発ローテーション入りを狙うドラフト1位・鈴木昭汰(法政大)は、春季キャンプ中に実戦がはじまってから「競争だと思うので、しっかり自分が少しでもアピールできるように頑張っていきたいと思います。自分の持ち味である強気のピッチングと打者を抑えに行く姿勢をしっかり見せていきたいと思います」と話していたように、持ち味を存分に発揮している。
先発した7日の西武(ZOZOマリンスタジアム)とのオープン戦では、立ち上がり右打者のインコースにズバズバと攻め、金子侑司を146キロのインコースストレートで投手ゴロ、4番・山川穂高をインコース137キロのストレートで三ゴロに仕留めた。
鈴木は対外試合初登板となった2月16日の広島戦から、登板ごとに投げるイニング数が増えていき、7日の西武戦では最長の4イニングを投げた。2月20日のDeNA戦で2回を投げ3点を失ったが、25日のソフトバンク戦が3回を1安打無失点、7日の西武戦が4回を2失点にまとめるなど、開幕先発ローテーション入りに向けて、視界は良好だ。
▼対外試合の投球成績
4試 10回 安11 振4 四死2 失5
ドラ3・小川は走攻守に存在感
ドラフト3位・小川龍成(国学院大)は、対外試合が始まった当初はミスがあったものの、ここへきて自身の強みであるショートの守備で好守を連発。
7日の西武戦では、6回に木村文紀が三遊間に放ったあたりに、三塁・安田がダイビングキャッチを試みるも届かなかったが、そこにショートの小川があらわれ、素早く打球を処理して一塁にアウトにした。
走塁でも2日のオリックス戦で1試合に2つの盗塁を決めれば、翌3日のオリックス戦でも盗塁を成功させるなど、オープン戦トップの3盗塁を記録する。
課題と言われていた打撃でも、2月18日の楽天戦から2月24日のソフトバンク戦にかけて5試合連続安打。オープン戦がはじまってからも2日のオリックス戦で、途中出場ながらもライトにセンターにと2安打を放った。2日のオリックス戦以降は安打が出ていないが、ここまでは守備、走塁だけでなく、バットでも存在感を示している。
「やるからにはスタメンとして出たい。ショートのポジション争いは激しいと思うんですけど、自分も負けないように1年目からスタメンで出れるように頑張っていきたいと思います」と春季キャンプ中にこのように決意していた小川。エチェバリア、藤岡裕大とライバルが多いが、スタメンで出場するためにも、与えられた出場機会で2日のオリックス戦のように、“打って”結果を残していきたい。
▼対外試合の打撃成績
14試 率.280(25-7) 本0 点0 盗3
ドラ4・河村は無失点投球を継続
ドラフト4位・河村説人(星槎道都大)は、春季キャンプ中の取材で「まずは抑えるのが一番」と話していたが、その言葉通り、対外試合6試合に登板して、いまだに失点を許していない。
最速150キロを誇るストレートに、自身が武器と話すフォーク、春季キャンプ中に捕手陣から高く評価を受けたカーブ、さらにはスライダー、カットボールといった球種を持つ。
身長192センチから投げ下ろすストレート、落差の大きいフォークは魅力的で、7日の西武戦でも牧野翔矢に対しストレートで2球連続空振りを奪い追い込むと、2ボール2ストライクから6球目のフォークで空振り三振に仕留めた。
マリーンズのブルペンは実績、経験のある選手が多い中、オープン戦で結果を残し続けて、開幕一軍に割って入っていきたいところだ。
▼対外試合の投球成績
6試 7回 安4 振6 四死1 失0
大卒ルーキーが活躍傾向!?
今年のルーキーだけでなく、近年のマリーンズの大卒ルーキーは、即戦力に近い働きを見せる選手が多い印象だ。昨年でいえば、ドラフト2位の佐藤都志也はオープン戦、6月の練習試合と結果を残して開幕一軍を掴むと、シーズン通して一軍でプレー。ルーキーながら代打での33試合出場、9安打、5打点はチームトップを記録し、打率も3割(.310)を超え、“1打席”で結果を残すという難しい役割もしっかりと務め上げた。
2年前の19年には小島和哉が、開幕先発ローテーションを掴んだ。プロ初登板の西武戦で2回8失点とほろ苦いプロデビューとなったが、同年の8月は4試合に先発して2勝1敗、防御率1.88と安定した投球を披露し、夏場以降は先発ローテーションに定着。2年目の昨季は規定投球回に届かなかったものの、シーズン通してローテーションを守り、7勝を挙げた。
かなり気は早いが、鈴木、小川、河村も先輩たちのように1年目からZOZOマリンスタジアムで躍動する姿を見せて欲しいところだ。
文=岩下雄太