9回で打ち切り
日本野球機構(NPB)は22日、臨時12球団代表者会議を実施し、2021年シーズンのセ・パ公式戦は9回までとし延長回は行わない方針であると発表した。
昨年も新型コロナウイルス感染拡大の影響で延長12回から最大延長が10回までとなったが、今季は9回で打ち切りとなることで、リリーフ陣に厚みのあるチームは、良い投手を積極的に投入することができる。
ただ昨季は120試合だったが、今季は従来通りの143試合の長丁場の戦い。7月18日から8月12日まで約1カ月間の中断があるとはいえ、良いリリーフを開幕から継ぎ込みすぎると、シーズン終盤にパンクする可能性もある。9回で試合が終了となるなかで、リリーフ陣をどう運用していくかも、リーグ制覇を狙う上で大事なポイントとなりそうだ。
昨季はしっかりとリリーフ陣を管理
1974年以来となる勝率1位でのリーグ優勝を目指すロッテは、昨季シーズン通して、1週間で投げる登板数、連投などしっかりと管理されていた。“1週間に4試合投げた投手”、“3連投した投手”は、益田直也と澤村拓一の2人だけ。リリーフ陣のパフォーマンスが向上し、チームの救援防御率はソフトバンクに次ぐ、リーグ2位の3.30をマークした。
▼ 3連投した投手(移動日挟む3連投は含まない)
益田直也(9月3日西武戦、4日ソフトバンク戦、5日ソフトバンク戦)
澤村拓一(10月29日ソフトバンク戦、30日楽天戦、31日楽天戦)
▼ 1週間に4登板以上した投手
益田直也(9月29日〜の週、11月3日〜の週)
澤村拓一(9月29日〜の週、11月3日〜の週)
澤村がFA権を行使して、メジャーリーグ・レッドソックスに移籍したのは痛手だが、守護神・益田直也をはじめハーマン、唐川侑己、小野郁、フローレス、東條大樹、田中靖洋とリリーフ陣は豊富だ。
課題とされていた若手リリーフ陣も、一軍の枠に割って入ろうと、対外試合からアピール。高卒3年目の土居豪人は2月の対外試合から10試合・10回1/3を投げて、許した失点はわずかに1。2月24日のソフトバンク戦から8試合連続で無安打、無失点投球を披露した。
ドラフト4位ルーキーの河村説人(星槎道都大)は、オープン戦の最終盤で失点してしまったが、対外試合初登板となった2月16日の広島戦から6試合連続で無失点に抑えた。
左のリリーフが手薄なのは気になるところではあるが、リリーフ陣の層は厚みを増した。
長いシーズンを戦ううえで昨季からマリーンズは、守護神の益田が連投したときにはハーマンが勝ち試合の9回を担当し、唐川、ハーマンが連投したときには小野や東妻勇輔といったビハインドゲームで投げることの多い投手が勝ち試合を担当することもあった。
今季は9回で打ち切りになるとはいえ、試合数は143試合。リリーフ陣の起用法が、大事なシーズン終盤に左右してくるのではないだろうかーー。その点、マリーンズは昨季からリリーフ陣の登板間隔などをしっかりと管理し、上位に進出した実績がある。今季もリリーフ陣に負担のかからない起用をしてくることだろう。3月26日からはじまるプロ野球。マリーンズのリリーフ陣がどのように起用、管理されていくのか今季も注目していきたい。
文=岩下雄太