打のドラ1、投のドラ2が躍動
首位・阪神が連敗を「3」でストップ。
嫌な流れを断ち切ったのが、ルーキーたちの奮起だった。
まずは初回、相手先発・上茶谷大河の不安定な立ち上がりに付け込んで1点を先制すると、なおも一死満塁でドラフト1位ルーキー・佐藤輝明が登場。
前日の試合では大量失点につながる痛恨のエラーもあり、「昨日の悔しさもあったので」と後に語った怪物スラッガー。2ストライクと追い込まれながらも、内角の難しいボールに悔しさをぶつけていくようなフルスイングを見せると、打球は詰まりながらも一二塁間を破る2点適時打。この後も打線の勢いは止まらず、一挙6得点というビッグイニングを作る。
さらに佐藤は2回裏にも、無死満塁からあわやグランドスラムという左中間フェンス直撃の2点適時打。この日は6回の第4打席でも二塁打を放ち、プロ入り後初の猛打賞で4打点の大暴れを見せた。
また、この日は先発もルーキーの伊藤将司だった。
味方の大量援護があったとはいえ、集中力を切らすことなく丁寧なピッチングを展開。
3回に戸柱恭孝に三塁打を打たれ、投手・櫻井周斗の適時打で1点こそ返されたものの、以降も走者は出しながら要所を締める投球でアウトを積み重ねていく。
8回終了時点で球数は101球にのぼっていたが、ここ2戦は先発が5回を投げきれずにリリーフを使っていたことや、13-1という大量リードの展開だったこともあり、そのまま9回も続投。
先頭の田中俊太に安打を浴びたものの、後続は3人で斬って9回・124球の熱投。1失点のプロ初完投でチームの連敗ストップに大きく貢献した。
24日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した解説者の大久保博元氏も、この日の佐藤輝明の打撃には思わず感嘆の声を漏らす。
内角球を思い切り引っ張り込んだ1打席目の適時打については、「見事な打撃ですよね。あれだけドン詰まったって内野の頭を越えて、2人還してくれるんですから」と、決して当たりは良くなかったものの、打ち取られることなく、パワーでヒットコースへと運んだ一打を絶賛。
また、あわや満塁本塁打という2打席目については、「新人というより、もはや新外国人選手ですよ」と、その豪快さを形容。日本人の左打者がやや差し込まれながらも甲子園の左中間最深部のフェンスにぶち当てるという衝撃の一打を讃えた。
大久保氏は続けて、忘れてはいけない伊藤将司のピッチングについても言及。
攻撃の時間が長くなるなか、マイペースで投げ進めていった点を挙げ、「走者が出ても、落ち着いてストライクゾーンで勝負していけるんですよね。新人離れしているな、と思いますね」と、こちらも賛辞のコメントが並んだ。
ドラフト1位とドラフト2位が揃って“ルーキーらしからぬ”活躍を見せての快勝。嫌な流れを断ち切り、勢いがつく勝利になったことは間違いない。
この一勝をキッカケにもう一度ギアを上げ、快進撃を続けていくことができるか。まずは勝ち越しのかかる第3戦、日曜の試合が重要になる。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2021』