テーマは速いストレートを打つ!
「バッティングでも守備でも、ひとつひとつテーマを持って取り組んでいこうと意識してやっています」。
ロッテの福田光輝は漠然とファームで実戦を積むのではなく、自身に明確な課題を持って取り組んでいる。
打撃でのテーマのひとつが、速いストレートに対応することだ。
「バッティングはとにかく速いまっすぐに打ち負けないように、しっかりタイミングをとって振っていくことと、2ストライクからの対応がすごく大事になってくると思うので、頭を1球1球整理しながら、打つということは意識してやっています」。
“2ストライクからの対応がすごく大事になってくる”と福田光が話すように、追い込まれてから足を上げて打つだけでなく、すり足気味に打ったり、時折初球からすり足気味で打つなど工夫が見られる。
その点について福田光は「普通に打っていても、感覚的にあんまりよくないなというのがあったら、すり足で打ったり、自分のなかで色々変えながらバッティングしています」と臨機応変に対応している。
また、打撃フォームでいえば、昨季はトップを高めの位置にとっていたが、「意識的には下げた感じはあまりなかったんですけど、1月の自主トレでちょっと下げる感じで打っていたら、ボールの伝わり方がよかった」と、今季を迎えるにあたって、トップの位置を下げた。
好不調の波をなくし安定感を!
練習試合では、2月16日の広島戦でレフトへ2点適時二塁打を放てば、2月18日の楽天戦では守護神・松井裕樹に対し初球から積極的に振っていき、2球連続ファウルで追い込まれるも、3球目の外角のストレートを逆らわずにレフト前に運んだ。さらに2月21日のDeNAとの練習試合では、4-4の9回二死一、二塁からレフトへ適時打を放ち、少ない出場機会でアピールした。
オープン戦が始まってからは快音が聞かれず、開幕は二軍スタート。開幕直後は3試合連続で複数安打を放つなど、4月8日終了時点で打率.357をマークしていたが、4月9日以降は15試合に出場して複数安打はわずかに1度だけ。現在は打率.247となっている。福田光が掲げた自身の打撃テーマとともに、いかに“安定”した打撃を見せるかもカギだ。
福田光本人もそれを自覚する。
「最初の方はすごく良くて、自分が打とうとした球を仕留められていましたし、逆方向にもヒットが出たり、2ストライクからのアプローチも、自分の思っているようにバッティングができていた」。
「ここ最近は徐々に自分のバッティングができなくなってきている。鳥越監督にも言われたんですけど、ちょっとでも打てない時期を少なくして、考えてやれと言われました」。
「鳥越監督に言われたからでというわけではないですが、“いつかは打てるやろうな”という気持ちは捨てて、マシン、手投げのバッティングでも、日によって感覚が違う。大きく変えたり、その日のいい感覚を自分で探りながらやっている」。
「常に打ちたいですけど、打てないときをできるだけ少なくして、いい形をしっかり保てるような準備、考えてやっているところです」。
調子の波を少なくし、“安定”した打撃を手に入れるため、日々試行錯誤を続ける。
「守備では、自分のところにきたらアウトにできるくらいのプレーを常にファームでしておきたい。一軍昇格に向けて、打って結果を出していくしかないと思うので、本当に今しっかり考えて、形を作って呼ばれたときには、自分の形をしっかり出せるように今も練習をしっかりやりたいなと思います」。
今テーマに掲げていることをひとつずつクリアし、まずは安定した打撃を披露していきたい。そうすれば、一軍の舞台も見えてくる。
取材・文=岩下雄太