◆ チームにとっても大きな交流戦初白星
セ・リーグ首位を走る阪神が2試合目の交流戦初勝利。
雨天中止や対戦相手の新型コロナウイルスの問題による試合中止が続いていた中、1週間ぶりの白星を手にした。
勝利の立役者は先発の秋山拓巳。5月に入ってからまだ勝ち星のなかった30歳は、パ・リーグNo.1の得点力を誇るロッテ打線を相手に圧巻の投球を披露する。
立ち上がりの初回を内野ゴロと外野フライ2つで三者凡退発進を決めると、2回は一死から味方のまずい守備もあってブランドン・レアードに初安打を許すも、冷静に後続を斬って無失点。
味方が3回・5回に得点を挙げた後もリズムに乱れはなく、7回まで野手のお見合いによる1安打、無四球・無失点の快投を見せた。
迎えた8回、続投した秋山は一死から角中勝也に二塁打を浴びてこの試合はじめてのピンチ。つづく藤岡裕大にはレフトに弾き返され、ついに1点を失ってしまう。
投球数も100球を越えてきた中、一死一塁で代打の井上晴哉は遊ゴロで注文通りのゲッツー。ガッツポーズを見せて引き上げ、この日は8回を投げて106球、被安打3の無四球・6安打で1失点。しっかりと役割を果たした。
9回は味方のミスもあってクローザーのロベルト・スアレスが1点を失うも、1点のリードを死守して逃げ切り勝ち。阪神が交流戦初勝利を挙げ、秋山には4月30日以来となる今季4勝目がついた。
26日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した解説者の江本孟紀氏は、秋山の好投について「コントロールがもともと良い投手ですからね」と安定したピッチングについて触れつつ、4月22日の巨人戦からここまで27回1/3もの間、四球を出していないことを聞くと、「それは考えられませんね…」と自身の現役時代を振り返りながら感嘆の声。
つづけて、「これからより先発ピッチャーが大事になってくる。この復調は大きいですね」と、久々に白星がついたことでさらなる前進に期待を寄せた。
また、同番組に電話出演した片岡篤史氏も、「まだ4勝目ですが、もう少し勝ち星がついていてもいいような内容なんですよね」と今季の秋山の投球について触れ、「低めにコントロールして打たせて取る。自分の持ち味、自分のピッチングをしっかり分かっている」と絶賛。
チームにとっても、自身にとっても大きな1勝。猛虎の快進撃は交流戦でも続いていくのか、あす以降の戦いからも目が離せない。