阪神・佐藤輝 (C)Kyodo News

◆ 6月連載:球界序盤戦の異変を追う

 ペナントレースは各チームとも50試合近くを消化した。この間、コロナ禍による試合の延期や、例年以上に故障者の続出、クローザーの受難や、ルーキーの大活躍など悲喜こもごものドラマが生まれている。異変が誤算を生み、誤算がチームを奈落の底に突き落とすケースもある。

 今季は東京五輪開催のため、7月中旬から約1カ月の“五輪ブレーク”が設けられている。前半に苦しんだチームは、ここで立て直しも可能だ。一寸先は闇の勝負の世界。まずはここまでの異変を追ってみる。

◆ 第1回:球宴

 『マイナビオールスターゲーム2021』のファン投票中間発表の第一報が2日に発表された。

 大きな特徴は2つ。セでは首位を快走する阪神勢の大躍進と、パではBクラスに沈む西武が1位を5選手で占める怪発進。この余波も手伝って、昨年の覇者であるソフトバンクは柳田悠岐選手ただ一人が外野手部門1位に名を連ねているが、巨人に至っては、2日時点(以下同じ)のトップはゼロという異変ぶりだ。

 もちろん、日々、投票数は変わっていくので、この先の行方は不透明ながら、伝統と人気を自負する球団にとっては、ペナントレース同様に思わぬ苦戦が予想される。

 原・巨人の投打の二枚看板と言えば、菅野智之投手と坂本勇人選手。目下、故障離脱中とあって、票が伸び悩むのも致し方ないが、それでも遊撃部門で阪神のルーキー・中野拓夢選手にスタートで後れをとるとは思っていなかっただろう。実績では天と地の開きがある。しかし、阪神にはそれすら覆す超大型の“佐藤輝爆弾”があった。これが阪神勢全体の得票に大きな結果をもたらしているのは想像に難くない。

 第1回目のふたを開けてみたら、佐藤輝明選手は4万7769票の大量得票を獲得。12球団全選手中トップのすべり出しだ。ルーキーで13本塁打、38打点は出色の働き。中でも5月28日の西武戦では1試合3発の離れ業を演じている。実に新人の1試合3ホーマーは長嶋茂雄(巨人)以来、63年ぶりの歴史的な偉業として記憶に新しい。

 阪神の現時点1位は佐藤のほかに梅野隆太郎(捕手)、ジェフリー・マルテ(一塁)、それに中野の4選手。いずれも活躍目覚ましいが、「佐藤輝明」の名前を投票用紙やネットに記せば、他の阪神勢にも波及効果をもたらす。外野部門の近本光司、三塁の大山悠輔や、抑えのロベルト・スアレス各選手らもファン投票選出圏内におり、この先の“球宴ジャック”まであり得る勢いだ。

◆ ファンの思いや願い

 一方の巨人では、不動の4番・岡本和真選手が意外なほど伸び悩んでいる。開幕から、しばらくは快音が聞かれず本塁打量産態勢に入ったのは5月中旬から。そんな出遅れ感が影響したのかも知れない。今では絶対的な中継ぎとして評価の高い高梨雄平投手に票が集まっていないのも不思議である。

 今年のオールスターは西武の本拠地であるメットライフドームで第1戦(7月16日)、楽天の本拠地である楽天生命パークで第2戦(7月17日)が行われる。

 パ・リーグの第1回得票で西武勢が躍進したのは、地元開催で盛り上がるレオ党の力が大きい。今季の西武は開幕直後から山川穂高、外崎修汰、栗山巧選手らが故障離脱。ようやく戦力が戻ってきたと思ったら、5月下旬の広島遠征で源田壮亮選手がコロナ陽性判定で抹消され、ザック・ニール投手や金子侑司選手らも濃厚接触の疑いで一時期戦列を離れている。ご難続きの中で、その山川や源田もトップ発進は激励の意味も込められた投票なのだろう。

 第2戦の行われる楽天勢も実力者の宝庫。二塁手部門の浅村栄斗、抑え投手部門の松井裕樹両選手は当然として、ルーキーの早川隆久やベテランの涌井秀章に則本昴大投手らが今後、票を伸ばしてくるかもしれない。

 投手部門では、パの先発1位を走る宮城大弥(オリックス)、セの中継ぎで山﨑康晃(DeNA)両投手に得票が集まっているのも興味深い。2年目の宮城は19歳と思えぬ技巧派左腕。田中将大(楽天)やチームの大黒柱である山本由伸ら稲葉ジャパン当確組のエースを押しのけてのトップ発進は見事。また、守護神の座を三嶋一輝投手に明け渡して、中継ぎとして復活を果たした山﨑の人気は衰え知らず。共に本番でも活躍の見たい選手だ。

 米国では日本とほぼ同時期の13日(日本時間14日)にオールスターが行われる。目玉はもちろん大谷翔平選手だ。すでに前日に行われるホームラン競争の出場も有力視され、メジャーの新怪物の飛距離に注目は集まっている。

 大谷に次いで、佐藤輝も?あながち夢とばかりは言えない。何せ、日本の新怪物が1試合3本塁打をやってのけたのはメットライフドームなのだ。新たな衝撃をファンは待ち焦がれている。

文=荒川和夫(あらかわ・かずお)


【荒川和夫・プロフィール】
1975年スポーツニッポン新聞社入社。野球担当として巨人、西武、ロッテ、横浜大洋(現DeNA)等を歴任。その後運動部長、編集局長、広告局長等を経て現在はスポーツライターとして活動中。

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この記事を書いたのは

荒川和夫

1975年スポーツニッポン新聞社入社。野球担当として巨人、西武、ロッテ、横浜大洋(現DeNA)等を歴任。その後運動部長、編集局長、広告局長等を経て現在はスポーツライターとして活動中

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