2021.06.03 17:45 | ||||
横浜DeNAベイスターズ | 4 | 終了 | 3 | 福岡ソフトバンクホークス |
横浜 |
福岡出身左腕がホークス相手に粘投
DeNAの2年目左腕・坂本裕哉が王者・ソフトバンク相手に真っ向勝負を挑み、6回無失点の快投を披露。後を受けたエドウィン・エスコバーが崩れ、勝ち星を手に入れることは出来なかったが、ローテーションピッチャーとして十分な役割を果たし、9年ぶりとなるソフトバンク戦の勝ち越しを呼び込んだ。
立ち上がり、いきなり先頭打者の牧原大成にヒットを許し、一死後、栗原陵矢にもヒットで続かれて一、三塁のピンチに。しかし、柳田悠岐と中村晃を抑え込むと、裏の攻撃で好調なタイラー・オースティンが左中間スタンドに3ランを突き刺して坂本を援護した。
2回と3回は走者を背負うものの要所を締め、4回には初の三者凡退、5回には先頭の松田宣浩にこの日2本目のヒットで出塁を許すが、投手のレイにが犠打を許さず、牧原を狙い通りの遊ゴロ併殺に仕留めて流れを渡さなかった。6回も先頭打者を出しながら後続を断ち、被安打5、与四球1、89球の無失点ピッチングでマウンドを後にした。
五月雨的にランナーを許したが、2015年の今日、三浦大輔現監督から伝説のバックスクリーン弾を放った4番・柳田悠岐、5番・中村晃、6番・ウラディミール・バレンティンを完全に封じ込めたことが、無失点ピッチングのキーポイントとなった。
坂本は「1球1球、全力で相手関係なく投球しました。とにかく(伊藤)光さんのリードを信じ、野手の皆さんに良いプレーで盛り上げてもらい、イニングを追うごとにリズムよく投げることができました」と自己評価。福岡出身の左腕が、幼い頃から見続けていたソフトバンク相手に、強烈なインパクトを残した。
三浦大輔監督も「序盤は変化球が抜けたり、チェンジアップが引っかかったり、ストライクとボールがはっきりしていた。絶好調ではなかったですど、(伊藤)光の好リードもあり、坂本も我慢強く投げられた。悪いなりにしっかりゲームを作れたのは、本人にとっても収穫になったと思う」と評価した。
交流戦で勢い付くDeNAは、ソフトバンク相手に2012年以来の勝ち越しに成功。昨日の中川虎大に続き、坂本もクオリティスタート(6回3失点以下)を達成し、「良い勢いを付けてくれている」と目を細めた指揮官は、「次の日に流れをつないでやっていくだけです」と、最後はいつもの台詞で締めた。
今日の勝利で交流戦は5勝2敗2分の2位と、首位をうかがえる位置につけている三浦ベイスターズ。明日からのロッテ戦にも、この勢いを持ち込みたいところだ。
取材・文=萩原孝弘(はぎわら・たかひろ)