2021.06.06 14:00 | ||||
横浜DeNAベイスターズ | 4 | 終了 | 3 | 千葉ロッテマリーンズ |
横浜 |
試合前イベントにスタンドどよめく
6日に横浜スタジアムで行われたDeNA-ロッテの試合前イベント『レジェンドOB一打席対決』で、マリーンズのOB・打者里崎智也と、両チームのOBでもある久保康友氏の真剣勝負が実施された。
横浜時代から変わらぬ細身なスタイルで登場した久保は、現役時代と同じ独特なオープンスタンスで打席に入った里崎に対し、初球から133キロのストレートを投じると、2球目には140キロをマーク。里崎はなんとかファールにしたものの、3球目も力のあるストレートでレフトフライに終わった。
夢のレジェンド対決を終えた里崎は「引退して140キロをもう一度見るとは思わなかった。メチャ早かった。手加減なしですもん!」と目を丸くし、久保は「結果を気にせずに全力で投げることは今までなかった。すごく良かったです」と声を弾ませた。
里崎は「昨日一昨日と乱打戦で、お互い大変でしょうから、今日はスピーディな試合をお願いします」と笑いを誘い、「佐藤(輝明)もいますが、牧(秀悟)に新人王を獲ってもらいたい。今永の素晴らしいピッチングもみたい」とベイスターズにエール。久保は「コロナで大変なときに球場に足を運んでくれてありがとうございます。選手に温かい声援、よろしくお願いします」とファンに感謝し、グラウンドを後にした。
会見場に現れた久保は「2、3年くらい数字を見ていなかったけど、自分自身は135キロくらいかとは思っていた」とコメント。里崎は「7年前に引退してるんですよ!普段少年野球で90キロくらいしか見ていないのに」と茶目っ気たっぷりに語りつつ、「(バットに)当たったし角度も良かった。オーっと言わせたので良かったかな」と振り返った。
2人は久保が阪神在籍時に交流戦で対戦した経験があったが、ロッテ時代にバッテリーを組んだ思い出が圧倒的に多いようで、里崎は「クイックはNo.1。盗塁を気にしないでいいピッチャー」と懐かしんでいた。
久々の横浜スタジアムのマウンドに上った久保は「ホーム感がありますね。意外と緊張しなかったですし、仕事としてではない投球を楽しめました」とし、里崎も「お客さんが入った中で野球をできた。忘れがちだが改めて思いました」と、観客動員上限50%ながらファンがスタンドにいる状況を素直に喜んだ。
終始笑顔の仲良しバッテリーが、違うユニフォームを着て対決した真剣対決。趣のある勝負に、当人たちはもちろん、集まったファンも満足していた。
取材・文=萩原孝弘(はぎわら・たかひろ)