ニュース 2021.06.14. 11:00

コーチからもらったバットをきっかけに「感覚がよくなった」ロッテ・高濱卓也

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ロッテの高濱卓也(C) Kyodo News

支配下復帰

 「最初は家にいるときに電話がかかってきて、明日マリンにきてくれと言われたので、やっときたかなというちょっとの期待と、違ったらという不安の両方がありました」。

 期待と不安のなかZOZOマリンスタジアムに向かったロッテの高濱卓也は、5月31日に支配下選手登録復帰を勝ち取った。高濱は育成選手として過ごした約1年半の期間について「なんとか結果を残して、早く支配下に戻りたいという気持ちだけでやっていました。それだけですかね、本当に」と振り返る。

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 2019年12月には「このままやっても痛みは出るし、痛いなりにやっていた。このままやっても一軍の戦力、野球をやることに対して思いっきりできないというのがあった。それだったら、良くなるかは分からないですけど、手術にかけてみようと思って手術をしました」と、『全内視鏡下腰椎椎間板ヘルニア摘出術』を行った。

 「そんなに時間がかかる手術ではなかったので、予定通り動いてあの感じでしたね」と、翌20年1月7日のロッテ浦和球場の室内練習場では、リハビリしている姿があった。

 同年の3月17日の巨人との二軍練習試合で実戦復帰。「守備練習はキャンプでもできた。ただ僕の中では(20年3月のときは)まだバッティングに関して、ピッチャーの球を打つ練習をしていなかった。やれることが少しでもあるんだったら、試合に入ってみて確かめてみようかという話をされたので、守備からでも入っていけるようにと、あの3月は(試合メンバーに)入れてもらっていました」。

 確かに春季キャンプ終了後の2月下旬のロッテ浦和球場での練習、3月上旬の二軍練習試合の試合前練習は全体から外れていた。全体練習後に小坂誠コーチのノックをサブグラウンドで受けるところは見たが、屋外で打撃練習をしている場面を見なかった。

福浦コーチの形のバットに変更

 新型コロナウイルス感染拡大によりプロ野球のシーズン開幕が6月にずれ込んだ。開幕してから高濱のバットからなかなか快音が聞かれなかったが、夏場以降は右中間に強い打球が増えた印象だ。

 「自分のなかでは、腰がよくなったとか、急激に(打撃が)よくなったというのは特になくて、6月後半か7月の頭くらいに福浦さんのバットをもらって、それを使い始めてからちょっと感覚がよくなった。福浦さんのバットのバランスが自分にちょっと合っていたというのがあって、そのあたりから変わりました」。

 「今まではどちらかといったら、あんまり重くないバットというか、腰の負担にかからないバットを振っていたのですが、力強い打球を打ちたいというのがあった。あとは今までは人のバットを試したことがなかったのですが、いろんな人のバットを試してみようというのが一番でしたね」。

 試合で使うバットも昨季開幕直後は白木のバットを使用していたが、シーズン後半からは黒茶のバットを使用している。その黒茶のバットこそ、福浦二軍ヘッド兼打撃コーチのバットをモデルにしたものだ。

打撃面での手応えは?

 バットを変更した昨年の夏場以降は長打や安打も増え、今季は開幕してからファームで3.4月の月間打率が.382、5月も打率.281をマークした。打撃面で手応えを掴んでいるのだろうかーー。

 「手応えというほどのものは特にはないですけど」と前置きしたうえで、「今までより腰の負担がないということが、バットが思いきり振れている。今まではどうしても振って、腰が痛くなるんじゃないかとかを、思いながら練習をしていた。そこがちょっと変わったかなという感じですね」と明かした。

 その一方で、腰を手術する前はこねる癖があるため、打撃練習ではレフト方向に打つことが多かったが、 「腰の手術をしたとか関係なく、もともとの自分の癖なのでそこは変わらず、左方向にバッティングして、左肩が出ないように、こねないようにというのは今もやっています」と、今も打撃練習ではレフト方向中心に打っているという。
 

一軍昇格

 支配下選手復帰した翌6月1日には一軍登録され、同日の中日戦、0-1の9回一死走者なしの場面に代打で登場し、2年ぶりに一軍の試合に出場した。その後も、代打を中心に出場している。

 「すんなり入っていけたという言い方はおかしいかもしれないですけど、雰囲気、風景は全然違いますが、ファームで打席に立っているような感覚でボールが見えていましたね」。

 「いままでだったら、ファームで対戦したことがあるようなピッチャーと対戦しても、『あっ速く見えるな』とか『ちょっとキレ良く見えるな』とかがあったんですけど、今年は速くは見えたりしますけど、ちょっと雰囲気が違うので、前ほど“うわっ”というのがなくなった気がしますね。ファームと同じような感覚で球が見えている感じがしますね」。

 一軍でもファームのときと変わらない感覚で打席に立てている。あとは、一軍の舞台で安打を放ち、多くのマリーンズファンを喜ばせたいところ。

 「いろんなところで応援してくれる人がたくさんいるので、そういう人の前で打ったり、元気に野球しているところを見せられたらいいですね」。応援してくれるマリーンズファン、チームの勝利のため、そして自身のため、背番号“61”はバットを振っていく。

取材・文=岩下雄太

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