ニュース 2021.06.18. 11:00

苦しいリリーフ事情のロッテ 守護神・益田の存在感が光る

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ロッテのブルペン陣を支えた守護神・益田直也(C) Kyodo News

開幕から一軍で投げ続けるリリーフは?


 ロッテのセットアッパー・唐川侑己が17日、一軍登録を抹消された。これで、開幕から1度も登録抹消されることなく、一軍登録されているリリーフは、守護神の益田直也と佐々木千隼の2人となった。

 佐々木は今季、開幕はロングリリーフからのスタートだったが、安定した投球で徐々に序列をあげていき、現在は主に勝ち試合のリリーフを担当している。実績のあるハーマン、唐川が離脱するなかで、佐々木がビハインドゲームだけでなく、勝ち試合でも結果を残していることはチームにとって非常に大きい。

 佐々木の活躍もそうだが、やはり守護神に君臨している益田の存在だろう。今季初登板となった3月27日のソフトバンク戦から2試合連続で敗戦投手と、開幕直後こそ躓いたが、4月1日の楽天戦から10日の西武戦にかけて6試合連続無失点投球。

 5月は月間リーグトップタイの8セーブを挙げ、月間防御率は0.90をマークした。6月も6日のDeNA戦で大和にサヨナラ適時二塁打を浴びたが、6試合に登板して、0勝1敗4セーブ、防御率は1.80だ。ここまで益田は30試合に登板して、0勝4敗17セーブ、防御率2.30という成績を残している。

▼ 益田直也の月別成績
3月: 2試 0勝2敗0H0S 防18.00
4月:12試 0勝1敗0H5S 防2.38
5月:10試 0勝0敗0H8S 防0.90
6月: 6試 0勝1敗0H4S 防1.80

絶対的な守護神


 益田は井口資仁監督が就任した2018年以降、1度も一軍登録を抹消したことがない。故障に強いこともそうだが、毎年50試合以上登板して安定した投球を披露し続けている。

 通算成績を見ても、556救援登板、145ホールド、171HPは球団歴代トップで、556登板、136セーブは球団歴代2位と、今季でプロ10年目の益田だが、すでにマリーンズの“レジェンド・リリーバー”にふさわしい数字だ。

 19年11月に唐川を取材したときの言葉が印象に残っている。この年の唐川は初めてシーズン通してリリーフを経験し、無失点に抑える登板が多かったが、1試合に大量失点してしまうもったいない登板もあった。その原因について唐川に話をしてもらっているなかで、「連打だと投げているところが終盤というのもあるし、序盤よりもバッターが集中しているところでもある。防ぐことをするのが大事なのかなと思います。いいときに抑えられるのは、誰でも抑えられる。そこでどうやって粘るか。やっぱり今年1年間、益田とかを近くで見ていて、そういうのができるピッチャーとできないピッチャーの差があると思いましたね」。この唐川の言葉が益田の凄さのひとつではないだろうか。走者を出して、苦しい状況になったとしても、そこを抑えていく。この積み重ねが、信頼や信用に繋がっていくのだろう。

 抑えて当たり前と思われ、打たれれば罵声を浴びるプレッシャーのかかるポジションだが、益田は故障や不振がなく、何年も勝ち試合の最後を任されている。他球団の守護神が今季、故障や不振などで抑えから外れているケースを見ると、改めて益田の凄さがわかる。マリーンズは、9回に益田という絶対的な存在がいることで、そこまでにしっかりと繋ぐ形ができてくれば、あとは勝利が待っている。セットアッパー・唐川の復帰を待つ中で、勝ち試合の7回、8回の投手を固定し、益田に繋ぐ形を1日も早く作り、勝利を積み重ねていきたいところだ。

▼ ロッテの主な通算記録トップ3
【救援登板】
1位 556 益田直也
2位 523 藤田宗一
3位 432 小林雅英

【ホールド】
1位 145 益田直也
2位 135 松永昂大
3位 120 大谷智久

【ホールドポイント】
1位 171 益田直也
2位 149 松永昂大
3位 133 大谷智久

文=岩下雄太

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