先発陣が不安定
ロッテは22日のソフトバンク戦に4-6で敗れ、29勝30敗9分となり、5位に転落。首位・オリックスとのゲーム差も4に広がった。
今月は9敗を喫しているが、6月11日の巨人戦を除いて、8敗は全て先制点を許している。22日のソフトバンク戦でも先発の二木康太が初回、先頭の三森大貴に初球のストレートを弾き返され三塁打とされると、続く中村晃に犠飛を打たれ、わずか3球で失点した。
19日の西武戦でも0-0の初回に先発・中村稔弥が守備のミスも絡んだが6点を失った。ここ最近敗れた6月12日の巨人戦、19日の西武戦、22日のソフトバンク戦は、いずれも初回に失点しているように、6月は75失点しているが、そのうち初回の18失点が最も多い。
昨季リーグトップの133回1/3を投げた石川歩が右肘を手術し、昨季チーム最多の10勝を挙げた美馬学が2試合連続二桁失点を喫して一軍登録を抹消され、“エース格”の2人を欠く苦しい先発の台所事情。6月のチーム先発防御率は6.00だ。
昨季自己最多の白星を挙げた二木と小島は、長いイニングを投げてはいるが、どこかのイニングで失点してしまいもったいない投球が続いている。6月は比較的安定した投球を見せているのは、18日の西武戦で6回を無失点に抑えた岩下大輝しかいないという状況だ。
先発の台所事情は苦しいが、先発投手がなんとかゲームを作っていかないことには勝利も見えてこない。
▼ 6月のイニング別失点
1回:18失点
2回:8失点
3回:13失点
4回:7失点
5回:3失点
6回:5失点
7回:10失点
8回:7失点
9回:4失点
打線は中盤以降に得点をあげるも…
打線もリーグトップの314得点を挙げているが、6月は相手先発投手を捉えきれていない印象だ。
6月は月間64得点を挙げているが、イニング別でみると、8回の12得点が最多で、次いで6回の10得点となっている。
▼6月のイニング別得点
1回:7点
2回:4点
3回:8点
4回:4点
5回:6点
6回:10点
7回:7点
8回:12点
9回:6点
イニング別の得点を見てもわかるように、試合の中盤から終盤での得点が多い。22日のソフトバンク戦の得点も0-3の5回に高部瑛斗の適時打で1点を返した後の得点は、8回に中村奨吾の第5号2ラン、9回に菅野剛士の第2号ソロと、試合終盤の8回と9回に奪った得点だった。
今月はここまで16試合戦っているが、5回まで得点できなかった試合が4試合、4回まで得点できなかった試合となると7試合となる。特にここ3試合は、4回までに得点を奪えていない。先発投手にある程度、球数を投げさせ試合の中盤以降に得点し、リリーフ陣から得点し勝利していくというのがひとつのパターンとなっている。
6月は投手陣が先制点を許し、打線が相手先発投手に沈黙と、投打が噛み合わない。ただ5勝9敗2分と負け越しているものの、大きな連敗はなく、3連敗以上はしていないのだ。
今季ここまでのロッテの戦いを見ても、4月13日の楽天戦から4月21日の日本ハム戦にかけて引き分けを挟んで、6連勝があったが、5月以降は最多の連勝が2。大型連勝もないが、5月以降は最多の連敗も2と、大きな連敗もない。
基本的に5割前後の戦いをしており、負けている原因もはっきりしている。春先不安定だった救援陣は5月以降の救援防御率は2.50、6月は月間救援防御率1.94と安定してきた。セットアッパーの唐川が一軍登録抹消となったが、勝ち試合の8回は佐々木千隼が担っている。その前を投げる“7回の男”にやや不安はあるものの、リリーフ陣全体の数字は改善されている。
とにかく先発が試合を作り、打線が先制点を奪い主導権を握る試合を作っていきたい。まだ首位とのゲーム差は4と、リーグ優勝を狙える位置につけている。チーム一丸となって、勝利への執念を見せてほしい。
文=岩下雄太